楽天証券が、ぼくの知っている限りネット証券では初めて、証券担保ローンのサービスを始めました。開始は2月28日から。金利は1.625%〜3.0%です。ただし、現在のところ利用できる人に大きな制限があります。
証券担保ローンの魅力
証券担保ローンとは、預けている株式や債券を担保として証券会社からお金を借りられるサービスです。例えば、1000万円分の株式を持っていたら、掛け目50%として500万円を借りることができます。信用取引とは違い、基本的に利用用途は自由。いわゆるカードローンなどよりも金利が低いこともあって、活用するとたいへん便利なローンになります。
これまで一般投資家にとって最も身近な証券担保ローンは、野村證券が提供する「Webローン」でした。金利はこのところ上がってきていますが、現在1.9%。Webから借り入れを指示すると即時で野村信託銀行に入金され、返済もボタンひとつという、たいへんUIも優れたサービスです。
楽天証券の証券担保ローンの特徴
今回楽天証券が提供する証券担保ローンの概要は次の通りです。最大の注意点は、IFA口座に限定されていること。IFAとは「独立系ファイナンシャル・アドバイザー」の略ですが、要するに楽天証券が外部に委託した証券の営業パーソンです。顧客の代わりに手続きしてくれたり、一任契約で投資もやってくれる、昔ながらの証券営業のイメージの職種です。
- 開始日 2月28日
- 対象者 20歳〜80歳未満
- 金利 1.625%〜3.0%(みずほ短期プライムレート+0.0〜1.375%)
- 借入金額 100万円〜10億円
- 借入期間 6ヶ月(自由返済可能)
- 担保対象 楽天証券が指定する外国債券
また担保対象は、外国債券のみになります。主に米国債ということになるでしょう。現在のところ、具体的に対象となる債券の種類や掛け目は公開されていません。
金利は1.625%〜3.0%となっています。みずほ銀行の短プラに0.0〜1.375%を上乗せする形。ただし「差し入れた担保評価額などにより変動。金利優遇が可能な場合あり」とされていて、資産額が大きければ金利も下がるということでしょうか。
ちなみにサービス開始は2月28日ですが、3月3日には金利が上がり1.875%〜3.25%に変わります。上乗せ金利が0%なら、ギリギリ野村Webローンより低金利という感じですね。
そのほかの条件は、だいたい野村Webローンと似た感じでしょうか。
IFA口座以外にも広がる見込み
今回はIFA口座のみに証券担保ローンを始めますが、下記のように記載しています。
まずは、IFA口座を利用のお客様向けに
今後は、より幅広いお客様へのサービス提供や、担保対象にできる金融商品の拡大などさらにサービスを拡充させていたく予定です。
まずは担当者がつくIFA口座で、問題がおきないか確認し、顧客の様子を見つつ対象を拡大していく計画でしょう。早く通常の口座保有者も利用できるようになるといいですね。またその際、野村證券のような「信用口座開設者は利用不可」というような条件がつかないことを望みます。
追記
いつからでしょうか? 実はSBI証券も日証金と連携して証券担保ローンを提供していました。ただし利率は2.675%〜4.175%でちょっとお高め。株式が対象で掛け目は6割となっています。