FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

ビットコイン30%急落は、ETFからの資金逆流が原因らしい

株式市場も微妙にぱっとしませんが、もっとひどいのがビットコインに代表される暗号通貨市場です。10月上旬に1900万円近くまで上昇したビットコインは、ズルズルと値を下げて1300万円まで急落しました。この背景には何があったのでしょうか。

ビットコイン急落

下記は直近3ヶ月のビットコイン価格のチャートです。急落具合がすごいですね。ピークからちょうど30%下落した形です。

いったい何が起きているのでしょうか? 株式市場のほうは、懸念された11月末のNVIDIAの決算が大変好調で、AIバブル崩壊→暴落 とはならず横ばいから弱含みの流れですが、ビットコインはひどい状況です。

ETFからの資金逆流

2024年から2025年にかけて、ビットコイン価格は600万→1800万超へと急激に上昇しました。これを牽引したのはBlackRockのIBITをはじめとする現物ETFです。機関投資家などがビットコインETFを購入することで、価格が上昇していきました。

 

ところが11月頭に起きたのは資金の逆流です。CFRA ResearchのETFリサーチ&アナリティクス責任者アニケット・ウラル氏は、投資家が10月30日から11月17日にかけて現物ETFであるIBITから16億ドルを引き上げ、17日の月曜日にはわずか1日で4.47億ドルが流出したといいます。

Bitcoin ETF posts record outflow amid crypto bear market

 

上昇がETFのおかげだったということは、ETFから資金が引き出されれば価格は下落します。シティ・リサーチのアレックス・ソーンダースによる分析によると、ビットコインETFから引き出される10億ドルごとにトークンの価格は約3.4%下落するといいます。

 

背景にはFRBが「今年のさらなる利下げは確実ではない」とパウエル議長が伝えたことがきっかけのようです。ただ、市場はリスクオフのきっかけを探していたという感じもします。

 

デリバティブのロスカットも下げを加速させました。ロングポジションのロスカットが連鎖的に発生し、数十億ドル規模の精算が繰り返され、売りが売りを呼ぶ展開になったといいます。

50%下がっても驚かない

ここ数年の上昇相場だけを見ていると、この世の終わりだ!くらいの下落ですが、ぼくはこれがさらに下がって半値=1000万円割れになってもそれほど驚きません。

 

過去も、2018年末のピーク200万円→33万円、2021年のピーク700万円→210万円と、凄まじい下落を繰り返してきました。2023年から25年にかけて上昇が続いただけのことです。

 

何しろ、ビットコインにはその裏付けとなる収益がありません。そのため、妥当な価格というのが存在せず、基本的には価格は長期的な需給と期待値で決まります。ではなにが需要を拡大させてきたのでしょうか。

 

1つは認知の拡大です。この10年で、暗号通貨は知る人ぞ知るものから、名前は聞いたことがあるものへ、そして少額なら持ってみようというものに変わってきました。僕の周りでも、暗号通貨否定派だった人たちが、徐々に「ちょっと持ってみようか」というふうに変わってきたのを実感しています。

 

2つ目は投資環境の整備です。アングラに近い存在だった取引所が、法規制がしっかり入り、安心して取引できるものになってきました。さらにETFの登場で、これまで投資ができなかった機関投資家も参入してきました。

 

3つ目はビットコイントレジャリー企業の登場です。マイクロストラテジーに代表されるビットコイン財務企業は、社債などを通じて資金を調達し市場のビットコインを吸い上げています。

 

このように需要が拡大するにもかかわらず、供給は絞られる一方です。ビットコインはマイニングによる報酬によって新規コインが供給されますが、それは4年に一度の半減期ごとに半分となり、既存コインに対する年間新規コイン供給量=インフレ率は0.8%程度まで減少しています。さらに、保有者の死亡などによる秘密鍵の紛失で永久に失われるビットコインもあり、その量は230〜370万枚(最大供給量2100万枚のうち約11〜18%)に及ぶと推定されています。

 

収益も産まず定まった価値がないのですから、需要が増大し供給が減少するなら、価格は増大します。単にセンチメントによって動く部分が大きいのでボラティリティが激しいだけです。なので、このままさらに下がっても驚かないし、それでもあと5年も立てば、高値を更新して5000万円まで行っても驚かないのです。

 

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