九条です。FIRE後の自由な生活をベースに、投資・税制・制度・クリプト・法人運営を考えるブログです。 利回りや還元率の表面ではなく、税引き後の手取り、制度の前提、リスクと不確実性を見ながら、自由を増やす方法を書いています。

サラリーマンの"本当の時給"を計算したことはありますか


アルバイトをするとき時給を気にしますよね。では月給とか年俸のサラリーマンの方は、自分の時給を計算したことがあるでしょうか?

給料を労働時間で割ってみると?

例えば年収800万円の人がいるとします。普通に考えると年収を労働時間で割れば時給が出ると考えますよね。まず年収800万円といってもこれは額面で手取りは違います。ざっくり600万円くらいが手取りでしょう。

 

労働時間は? というと平均で年間116日の休日があり、平均で12日の有給が取得されています。合わせて休みは128日。労働日数は237日です。1日あたり8時間働くとすれば、1896時間になります。これで割ると、3164円。額面で計算すると時給4219円です。

 

大学生がバイトで働くとなると、1200円? 1400円? まぁ2000円貰えればかなりいいバイトってことになるでしょうから、サラリーマンの時給31000というのは一見高く見えます。

実質時給はもっと安い

でも実質的な時給はもっと安いことに気づかなくてはなりません。それはこの時給をもらうために、いろいろなコストを支払っているからです。

 

例えば、自家用車で通勤している人はそのコスト、仕事用の服(作業着や制服は支給されてもスーツは自腹)、外食やコンビニ飯(出勤したら自炊できない!)、ストレス発散や同僚懇親のための飲み代、仕事に必要なガジェット代や自己啓発。こうしたものはサラリーマンをやっているが故に払わなければいけないコストです。これらを合算して収入から引きます。

 

次に、労働時間には次のものを足します。まず通勤費(通常、通勤にかかる時間は労働時間に含まれない。そして通勤手当は実費なのにそこには社会保険料がかかる!)、朝の支度の時間(女性であればメイクとかも)、帰宅後に仕事のことを考えている時間、日曜の夜に憂鬱になっている時間も加算しましょう。

 

実際に計算してみると、給料のうち、意外なほど多くが「仕事を円滑に進めるため」のコストとして費やされていることが分かると思います。要するに、仕事がなくても使ったお金はどれだけだったのか、それを合計すれば実はそれが実際の収入です。

 

そして労働時間はかなり長くなります。タイムカードを押せば綺麗さっぱり忘れてしまうアルバイトとは違い、会社員というのは家に帰ってもすべてを終わりにすることはできないのです。睡眠時間と、趣味の時間や自由時間、会社を辞めてもやるだろうこと。これらを24時間から引いた残りが、本当の労働時間です。

 

こうやって、大きく減った実質収入を、大きく膨らんだ実質労働時間で割ります。例えば、手取りの20%くらいを実質的に仕事のために費やしているなら(これでも甘いかも。フリーランスをやってみればいろいろ経費にできることがわかります。これが実質仕事のためのコストです)年収800万の実質収入は、480万円です。

朝の支度に0.5時間、通勤に片道1時間、家に帰ったあとの「情報収集」とか「自己啓発」とか「仕事のメールを見てしまう」などの時間に1時間くらいかかっているなら、労働時間は1日11.5時間です。

この数字で実質時給を計算すると、時給はなんと1761円! ほぼ半減してしまいまいた。しかも上記の数字はかなり弱く見積もっています。実のところ、800万円という年収は残業込みのものではありませんか? 土日も接待という名の労働時間に使われていませんか? ビジネス上信頼を得るため――などの理由で買った高級時計はちゃんとカウントしましたか? 

 

年収の高い人は「オレの時間は貴重だ。オレはこれだけ稼いでいる」と考えるかもしれません。ただ実のところ、それだけ稼ぐのと同時にかなりの額を使っていて、実質的な時給は非常に小さいかもしれません。

 

高年収のサラリーマンの中には、年収相当の支出も行う人がけっこういて、そうした人は1年中働いているのに全然貯金ができないなんて人もいます。つまり実質収入はほぼゼロに近く、実質労働時間は非常に365日に近い。そうなると実質時給はアルバイト以下なんて場合も多々あるのです。

時給1700円で何を売り、何を買っているのか

実のところ、時間とお金は等価です。時間は働くことでお金に変えることができますし、お金を使って時間を買うこともできます。

 

何度もこのブログで書いていますが、「お金は自由の交換券」です。実質時給が低いということは、自分の自由(と時間)をかなり安く売っているということを意味します。

 

逆に、資産があればそのお金で自分の自由(と時間)を取り戻せるということでもあります。実質時給で資産を割れば、それは働かなくてもいい時間の長さを意味します。

 

FIRE――というと、みんな資産をどうやって増やすか?ばかり考えがちですが、実は最も重要なのは自分の人生の時間と、その時間で何を買ってきたのか、そして何を売っているのかを、具体的な数字として見つめ直すことなのではないでしょうか。

 

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