九条です。FIRE後の自由な生活をベースに、投資・税制・制度・クリプト・法人運営を考えるブログです。 利回りや還元率の表面ではなく、税引き後の手取り、制度の前提、リスクと不確実性を見ながら、自由を増やす方法を書いています。

ついに東電管内でも始まった出力抑制 7%も自動控除

太陽光発電のリスクの一つは、電力会社が発電した電気を受け取ってくれない「出力抑制(出力制御)、」です。九州や四国などでは結構前から日常的に行われていて、よく晴れた日などは全く買い取ってもらえないという状況が起きていました。

 

それがついに東京電力管内でも発生です。6月には7.01%も出力抑制されました。

7.01%も発電量から差っ引かれた

まずはこれを見てください。8月6日に検診のあった千葉の発電所の「購入実績お知らせサービス」の画面です。見慣れない「代理制御調整金内訳」という項目が追加されています。

 

ここに5月分を対象として、「代理制御調整電力」が693kWh、精算比率が-7.01%、代理制御調整金が-13,721円と書かれています。これはどういうことでしょうか?

こちらのFIT18円の発電所、発電した電力量は9890kWhでした。ところが「代理制御調整」のために693kWhが引かれて、東京電力に購入されたのは9488kWh。つまり本来支払われるはずだった金額よりも13,721円減らされたということです。

ついに東京電力も出力抑制

出力抑制(出力抑制)というのは、電力の供給が需要を上回る場合に、発電量を一時的に減らす措置のことです。電力は、供給量と使用量を一致させる必要があり、ここがずれると大規模な停電にもつながります。

 

特に晴天の日中は太陽光発電の量が一気に増えるため、使い切れないということが起きます。これまでは、火力発電所の出力を調整したり、水力発電所で水を汲み上げることに電力を使ったりして調整してきましたが、昨今再生可能エネルギーの比率が増加したため、調整がおいつかなくなってきました。

 

東京電力以外では、太陽光発電所の発電を止める出力抑制が行われていましたが、2026年3月1日に、東京電力パワーグリッド管内で始めて出力抑制が実施されたのです。

出力抑制手法の違い

ただ、太陽光発電ってパネルで発電した電力をパワコン(PCS)を介して系統につないでいます。いったいどこで出力を制御するのでしょうか? 実は認定日と出力によって細かく手法が変わっています。

 

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まず出力ですが、ざっくりこんなイメージです。

  • 10kW未満 戸建ての屋根に乗っているパネル
  • 50kW未満 いわゆる「低圧」。ルールが緩い
  • 500kW未満 いわゆる「高圧」。管理者を置くなどルール厳しい
  • 500kW以上 当初から出力抑制対応だった(なんと事業者が手動で停止させる)
  • (1MW以上) いわゆるメガソーラー

出力抑制(出力制御)の方法は大きく2種類あります。一つは、手動やリモート(PCSに通信)で実際に出力を止める「制御」。もう一つは「代理制御」で、発電は継続するものの、他の発電所をその分余計に代理で停止して、差額を後日精算する方法です。

さて、まず家庭用は制御はありません。50kW未満の低圧を見ると、2021年4月1日以前の認定は、全部代理制御です。2021年4月以降は、リモートで制御できる仕組みを入れる必要があります。

年間での最大損失

さてこれで冒頭の7%精算のカラクリが分かりました。僕の50kW未満・低圧発電所には出力を止める制御装置は付いていません。そのため「代理制御」となり、晴天で管内全体で出力を抑えなければいけないとき、僕の発電所の代わりに500kW以上の例えばメガソーラーとかが代理で止まります。

 

その分を後で精算し、僕が支払う。それが6月分について693kW、当月の出力に対して7.01%だったというわけです。ちなみに、直近の東京電力管内の制御状況はこうなっています。このn月分は実際の発電期間のだいたい1ヶ月遅れです。夏の間は7%程度の発電量ロスを覚悟しなくてはいけない感じですね。

  • 6月分 - 7.01%
  • 5月分 - 2.20%
  • 4月分 - 1.53%
  • 3月分 ー

ただ、一応新ルールでは無保障上限が年間360時間と定められていて*1、つまり49.5kWの低圧の場合、最大で17,820kWh分が止まるリスクがあるわけです。これはFIT18円なら35万2836円で、年間売電額の1割強に達します。いやー厳しい。まぁ夏の晴天であっても49.5kWマックスで発電することは稀なので、実際はもっと少ないでしょうけど。

 

太陽光発電は、10年稼働後の強制積立など、あとから不利な話が出てくるのが大きなネックでした。今回、ついに東京電力管内でも出力抑制が始まったことで、太陽光発電家にとっては夏の楽しみが奪われる感じです。

 

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*1:360時間を超え多分は、止めても保障されるルールです。ただ2021年4月以降は保障がゼロになります。