FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

優待の少ない月は? 楽天大口更新の最適タイミング

楽天証券は、大口優遇を獲得することで現物取引手数料が優遇され、信用取引は手数料が無料となります。比較的達成条件の緩い、信用取引5000万円/日によって、3カ月間、大口優遇が受けられます。今回は、いったいどの3カ月に優遇を達成するのが、資金効率的によいか、考えてみます。

資金需要が少ない=優待銘柄が少ない月は?

 

 信用取引5000万円/日を達成するには、少なからぬ資金が必要です。優待クロスを行っていると、タイミングによっては多額の資金をクロス維持に使うことになります。つまり、できるだけ優待の少ない月、さらにできれば翌月も少ない月に大口優遇作業を行うことが重要になります。

 

ではそんな月はいつなのか? 楽天証券で各月の優待銘柄数を調べてみました。

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 一目瞭然、3月にピークがあり、次いで9月、そして12月となっていることが分かります。この月に大口優遇作業はできません。ちなみに、赤い棒の部分は優待銘柄ではあるものの、一般/制度ともに信用売りが不可の銘柄です。つまり優待クロスはできません。数字は、2019年からの増減を示しています。こう見ると、多くの月で優待銘柄が増加しているんですね。

 

というわけで、ベストの更新月は、上記の1月、4月、7月、10月だということが分かります。まぁ多くの人は9月、12月、3月といった資金需要ピークが過ぎたあとに作業をやっているでしょうから、自然とこのルーティンになると思いますけど。

大口優遇のおさらい

ちなみに、1日に信用取引5000万円分となると、ものすごい資金が必要に感じますがそうでもありません。例えば、ある銘柄を2500万円買い/2500万円売りを行い、値動きリスクをなくした上で、同日中に反対売買で決済することを考えます。

 

信用取引は取引代金の30%が必要です。つまり、750万円+750万円の1500万円で済むわけです。さらに、前場の寄付でポジションを建てて、引けで決済、後場も同様に寄付で建てて大引けで決済すれば、資金を2回転できます。つまり、750万円でいいわけです。

 

実際には、注意点が4つほどあります。

1:2500万円ピッタリの取引はできない

例えば、今回行ったトヨタ3400株のクロスでいうと、約定単価が7672円なので、2608万4800円のポジションになります。3300株だと2531万7600なのでちょうど良さそうなのですが、株価が7575円まで下がると2500万円を切ってしまうことになります。このように、多少の余裕を見ておくほうが安心です。

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2:成行注文は変動幅上限の資金が必要になる

同額でクロスを行うためには、寄付か引けでの約定が必須です。最も簡単なのは成行き注文を出しておくことですが、先日記事を書いたように、成行きは値幅制限上限の資金が注文に必要です。

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トヨタの場合、上下に1500円の値幅制限となっています。8日の段階では、6170〜9170円の値幅です。成行き注文を出すと、この9170円分の資金が必要になります。つまり3400株だと3117万8000円のポジション、保証金にすると935万3400円が片側だけで必要になってしまいます。

 

これを避けるには、想定される約定価格よりも高い値段で指値買いを入れます。残念ながら、「売り」のうは指値をしても、値幅制限上限の保証金が拘束されます。

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信用取引をおこなうにあたってのご注意 | 信用取引 | 国内株式 | 楽天証券

3:引けは約定しない可能性がある

板寄せの仕組みを考えると、指値注文の数が減るであろう引けは約定しない可能性があります。例えば、売りの成行き注文の合計数が、買い注文(成行き+指値)の合計を上回る場合は、売りの成行きは約定せずに失効となります。

 

ただし、板寄せでも成行注文が優先して約定するので、引けでクロス解消の注文を出すなら成行きのほうが安心でしょう。

 

そしてこうした事態を避けるためには、値動きが安定していて、決算時期ではなく、株価を動かすニュースが出ない銘柄を選んでクロスを行うことが重要です。

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4:前日夜に注文を入れておくと、株価下落時は担保価値下落で注文が失効する

これは楽天証券と楽天銀行をマネーブリッジでつないでいて、さらに投資信託を代用有価証券として保証金代わりに使っている場合に起こります。保証金が800万円必要なとき、投信の価格の80%を保証金代わりに使うことができます。500万円分の投資信託を持っていれば400万円分の評価となり、足りない400万円がマネーブリッジによって楽天銀行からスイープされます。

 

ところが、翌朝7時くらいに投資信託の評価額が更新されます。仮に値下がりして500万円のはずが490万円になってしまったとします。すると保証金に当てられる額も392万円になり、合計で8万円足りなくなるのです。こんな場合、新たに楽天銀行からスイープされるのではなく、注文が失効します。

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注意点はいくつかありますが、まぁツボを押さえれば、なんということのない作業です。しかし、優待クロスを始めてからというもの、本当に信用取引が身近になりました。というより、ほぼ現物取引をやっていません。仕組みが複雑なだけに、いろいろと工夫のしがいがあるのが信用取引ですね。

 

 【大口優遇関連】

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