3月27日に、5号基となる君津の太陽光発電所が連系しました。実はこの発電所は、2018年の9月に見つけ、最初に契約をしたものです。連系まで実に2年半。いやはや、なんとも時間がかかった案件でした。
連系までの流れ
この物件は、高層道路を降りて数分のところにあり、実は自宅から最も近い場所に位置しています。最大の難点だったのは、電柱が100メートルほど離れたところにあることです。太陽光発電所では、東京電力の電気系統と接続する必要があるため、電柱が近くにないと、工事を行って電気を引っ張ってくる必要があります。そして、この工事費用はこちらの負担なんですね。
ただ、コストがかかるだけならばまだOK。東電が現地を確認し見積もりし、料金を請求してくるという流れなのですが、ここにとにかく時間がかかりました。18年9月に申し込んだのに、東電から工事負担金の案内が来たのは20年の10月1日です。これはあまりに待たせすぎでしょう!
しかも出てきた費用は、211万1170円。かなり距離があるので100〜200万はかかるかな?と思っていましたが、想定上限を超えてきました。
ちなみに、これまでの4基の電力負担金は次の通りです。今回の211万円がいかに破格か、わかります。
- 木更津 60万7403円
- 筑西 72万6859円
- いすみ 66万6255円
- 白子 60万7403円
土地の決済を済ませたのは3月3日。山間の土地ということもあり、お値段は153万8000円とかなりお安くなっています。403.5坪なので、坪単価は0.4万円です。今回は間に不動産屋も入っておらず、というか入ってはいるのですが、20年間の草刈りメンテナンスを依頼するのが条件になっていて、代わりに仲介手数料などは必要ありません。
今回はコロナ禍ということもあり、現地に出向くことなく、銀行振込で登記を司法書士に済ませてもらいました。前回、木更津のときと同じ司法書士で、費用も4万2473円とリーゾナブル。スムーズに済みました。
発電所スペック
申し込みから時間がかなりかかったこともあり、パネルも変更してもらいました。
- パネル JINKO JKM470M-7R3-J(470W) 212枚
- パワコン オムロン KPV-A55-J4 5.5kW 9台
出力は99.64kW。最新の単結晶パネルを使い、出力はこれまでの発電所トップです。
- 木更津 97.2kW(JAソーラー)
- 筑西 97.2kW(JAソーラー)
- いすみ 98.8kW(JAソーラー)
- 白子 87.4kW(JINKO)
特に、同じJINKOのパネルを使った白子発電所は、ほかより10kWくらい出力が小さいのに、発電量はトップ。もちろん日当たりの違いもあるのですが、パネルという点では今回の君津も期待です。
表面利回りは11.6%。ただし、電力工事負担金などその他もろもろを入れると、シミュレーション上は9.12%まで落ちてしまいます。これをベースにした計算では、IRRは6.3%。スペック上はまぁまぁの感じです。
ただし、やっぱり日当たりが気になるところ。同じように周囲を山に囲まれた木更津が、想定値を10%近く下回る成績しか出せておらず、今回もその懸念が濃厚です。まぁそれでもIRRは少なくとも2%以上は出るので、しかたないとしましょう。
法人Aの発電所がすべて稼働
この5号基君津発電所をもって、法人Aの発電所はすべて稼働したことになります。1、3、4、5号基が所属です。この連系を急いだのは、3月末に法人Aの決算が締まること。2020年度の決算にすべてを稼働させたかったのです。
なぜかというと、消費税還付後の免税事業者化を睨んでです。太陽光発電所の場合、消費税の課税事業者を選択することで、消費税還付を受けることができます。システムという高い設備に消費税がかかっていますが、売り上げは大したことがないため、1基あたり100万円規模の還付がなされます。
まぁ払った税が戻ってくるだけといえばそうなのですが、ローンは消費税込みで組んでいることがポイントです。場合によっては実質オーバーローン状態になるのが、太陽光の消費税還付の特徴でしょう。
そして消費税還付を受けたら、一刻も早く免税事業者に戻る必要があります。売り上げに対して10%の消費税をいただいていますが、免税事業者であれば消費税を収める必要がないからです。また、消費税の簡易課税を選択することもでき、太陽光の場合は売り上げの70%をみなし仕入率として費用に計上できます。免税事業者になるには年間売り上げが1000万円以下である必要があるため、発電所も4基に抑えたというわけです。
ただし、この手法が横行したせいか、法改正がなされ、現在は「1000万円以上の設備投資を行ってから3年は免税事業者になれない」となっています。つまり、もし4月に引き渡しが伸びると、1年分、免税事業者になるのが遅れてしまうことになるわけです。これは痛い。
というわけで、急いで3月にすべて引き渡し、連系を進めたのですが、なんとかうまくいきました。あとは法人Bで予定している発電所の進捗を待つばかりです。