FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

調整相場の中、ストーリーで投資を考える

このところ、株式市場が冴えませんが、心が揺れているでしょうか? 2023年から絶好調が続いてきた相場ですが、ちょっと調整が入っている感じです。下落に不安になって売りたくなったり、割安だと考えて買いたくなったり、いろいろな考えがよぎるものです。

 

でもその前に思い直しておきたいのが、投資を始めた/その銘柄を買ったストーリーです。根本となるストーリーが崩れていないのであれば、何事もなかったかのように淡々と過ごせば良いはずなのです。

購入時に描いたストーリー

たとえば「オルカンに長期投資」という投資スタイルの人(ぼくもそうです)は、等を始めたときにどんなストーリーで買い始めたのでしょうか。

  • 世界の経済が成長し続ける限り株式は長期で上昇する
  • いろいろな投資先がある中、株式が最もリターンの大きいアセットクラスである
  • 世界中の株式に分散することで個別銘柄のリスクをなくし、株式市場だけに投資できる

こんな感じでしょうか? 当然その中には「株式相場は上がったり下がったりする」「下がるときは3年くらい下がり続ける(リーマンショック)こともあるし、下手したら10年近く(世界恐慌)戻らないこともある」「下がるときは半分くらいになることもある」事柄も理解した上で買っていることでしょう。

 

今回、日経平均は7月11日の高値から約10%下落し、S&P500も4%ほど下落、またドル円も一時151円台まで下落したとことで、海外株についてはダブルダメージとなりました。

 

ではでは、今回の出来事で上記のストーリーのどれかが崩れたでしょうか。それとも想定した範囲内でしょうか。もし、ストーリーの前提が崩れたと考えているなら、さっさと処分して現金にするなり別の投資先なりに乗り換えるべきでしょう。でも、ストーリーが崩れていないなら、それはあくまで想定内。右往左往する必要はありません。

九条のストーリー:AI銘柄

では大きく下落しているNVIDIAを筆頭としたAI銘柄はどうでしょうか。九条が描いているストーリーは次の通りです。

  1. AIはインターネットも超える人類の歴史を書き換えるレベルの巨大イノベーションである
  2. AI開発のボトルネックは演算資源とそれを動かすエネルギーである
  3. ソフトウェア開発においてはハードウェア性能だけでなく、開発環境やコミュニティなどのエコシステムが重要な要素になる

そうした前提の上で、インターネットがそうであったように、まずインフラに相当する部分(今回ならNVIDIA)に巨大需要が生まれ、次にインフラの上でサービスが花開くという流れが想像されます。インターネットだって、初期のブームでは儲かったのはCISCOのようなネット機器のベンダーであり海底ケーブルなどに多額の投資がなされました。そのその先に、Amazon、Googleなどのサービス企業が大きく成長したのです。現在のAIブームは、NVIDIAのGPUとMicrosoft、AWS、Google Cloudといったインフラにまず収益が生まれ、AIの革新的なサービスが登場するのはもう少し先になります。

 

そのため「AIは儲からない」と断じるのは時期尚早で、真価を発揮するのは全然まだ先なのです。

 

では、上記のストーリーは何か崩れたでしょうか? (1)は「所詮AIなんて次の単語を予測するだけのもので知能とは言い難い」と思っている人もいるでしょう。(2)は「学習規模を拡大するほど性能が向上するというスケーリング則は限界に達した」という判断もあり得ます。(3)は別にNVIDIAのCUDAでなくてもAI開発はできるって意見もあります。

 

それでもぼくの意見は、これらのストーリーは基本的に変わっておらず、AIは過去にない可能性を秘めた圧倒的なテクノロジーだと感じていますし、演算資源はますます重要になりつつあるという考えです。

 

そのため、多少調整がはいって株価が数割下がったとしても、それは誤差なわけです。

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九条のストーリー:ビットコイン

同じようにビットコインに代表されるクリプトも同じです。九条のストーリーは次の通りです。

  1. 政府が自由に発行量を調整できる通貨というコンセプトには根源的な無理がある
  2. しかし金本位制には戻れない
  3. 金の代わりに準備通貨になり得るのが、デジタルゴールドであるビットコイン
  4. デジタル化が進むにつれ、中央集権ではなく技術的に分散化を実現した仕組みが必要になる
  5. ブロックチェーンの基盤となる暗号技術やコンセンサスアルゴリズムは絶対的に強固である

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これらのストーリーが崩れない限り、クリプトの需要は増大し、逆に供給は少なく、価格は上がり続けるというのが見立てです。そこに至る背景では、激しく価格が変動することは考えられますが、それでも大きなトレンドとしては上昇していきます。

短期上昇ストーリーの人だけはさっさと損切りしよう

というわけで、自分の投資ストーリーを改めて確認すれば、「ストーリーが崩れたので売却すべき」なのか「ストーリーは変わらずで想定内の価格変動なのか」が分かるかと思います。

 

ちなみに、短期で上昇をするというストーリーを描いていた人もいるかと思います。例えば「◯日移動平均線をブレイクして◯◯サインが出ている」とか「◯◯さんがいまはこれがオススメと言っていた」「大口投資家が買いに回っていて需給的に買い」みたいな話ですね。

 

そういう場合はさっさと損切りして逃げることが重要ではないかとぼくは思います。途中でストーリーを変えて、保有し続ける理由を後付で考えることは大変危険な行為です。一旦売却した後に、「この銘柄を果たして今買いたいか?」を自分に問い直して、それでも「買いたい」と思ったら買うのが良いのではないでしょうか。

 

ちなみに、この程度の下げでは買い場だとも思えないので、買い増しもしません。淡々とホールド、そして淡々と定期積み立て*1を続ける。これがストーリーに則ったぼくの投資原則です。

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*1:定期収入はないので、実際には配当などの再投資ですけど。