FIer: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIerを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

アパート一棟、ついに契約

数年前からずっと「買う買う」詐欺をしていた不動産。ついに、一棟もののアパートの契約をしました。いろいろとすぐに試してみる性格なのですが、不動産はなかなかハードルを超えるのに苦労しました。

物件概要

今回契約した物件は、未公開の都内一棟もの。木造全9室のワンルームです。築3年と築浅なのが特徴で、表面利回りは7%になります。違法建築ものでもなく、極めて一般的なアパートですね。土地が旗竿というところがちょっと気がかりますが、いい感じの物件です。

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契約までの経緯

何度か相談をしていた不動産屋経由での物件になります。案内をもらってすぐに、詳細の問い合わせをしたのが1月15日。レントロールや土地の公図などを確認しつつ、収益シミュレーションを行い、何度かの打ち合わせを経て、2月頭に銀行への融資打診となりました。

 

シミュレーションの方針は、5年税引前IRRで8%。これを上回る融資条件ならばGoという感じです。結果、自己資金割合23%、金利2%以下ならば行けそうという感じになりました。

 

よくあるオリックス銀行などでは自己資金4割以上必要という回答。数年前のフルローン、オーバーローンが当たり前という状況から見ると、相当に融資状況が厳しくなっていますね。その後2月12日に、銀行から返答。提示条件で融資が行けそうということでした。耐用年数いっぱいの18年、某地銀のプロパーローンです。

 

2月頭に、空室だった部屋に入居者が付いたという連絡も。これで現在満室状態です。

 

その後、2月26日に融資条件付きの売買契約を締結。不動産会社のオフィスにて、手付金を支払い、契約書に捺印してきました。ありがたいことに、同条件で別の地銀も検討してくれているということ。どちらかで決まるか、条件のいいほうで決められそうという状況です。

 

3月22日前後までに最終的な融資判断が出るそうで、それが終わったら、銀行にて金消契約(金銭消費貸借契約)を結びます。その後、融資額が売り主口座に入金され、同時にぼくのほうも頭金を送金。そのタイミングで晴れて所有権移動、登記変更、物件の引き渡しとなります。スムーズにいって3月末という感じですね。

収益シミュレーション

今回は下記の条件で収益シミュレーションを行いました*1

  • 自己資金23%
  • 借入金利2%
  • ローン年数18年(建物耐用年数22年)
  • 平均入居年数4年、募集平均期間2カ月(→想定入居率96%)
  • 法人名義購入

ざっと、表面利回りは7%。対して経費率23.3%を引いたNOI(Net Operating Income)利回りは5.37%です。すると年数ごとのIRR推移は次のようになります。これは購入時価格で売却した場合のIRR(内部収益率)です。5年後、または10年後に売却して出口を迎えた際に、プロジェクト全体の年間リターンがどうだったかを表します。

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キャッシュフロー(CF)の推移は次のようになります。額は伏せていますが、年間で物件価格の0.3%、初期投下費用の0.9%のリターンでしかありません。

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ローン完済までの18年間のCFですが、2つの特徴があります。まず18年と比較的短いローンだけあって、大したCFは出ません。初期の売買にかかわるコスト(物件価格の4.5%計算)を回収できるのは、19年目まで待つ必要があります。もうひとつは、減価償却期間とローン期間がほぼ一致しているので、減価償却費をローン返済額が上回る、いわゆるデッドクロスは起きません。

 

つまり、この不動産投資は、出口を迎えて初めてしっかりとしたリターンが出る投資だということです。太陽光発電投資とは考え方が違いますね。購入価格と同額で売却した場合に、売却CFを含めた累計キャッシュフローが、初期投下資金の何倍になっているのかを表すマルチプルは次のようになります。10年後売却で、だいたい2倍になる計算ですね。

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売却シミュレーション

では売却時のシミュレーションです。まずは収支トントン、ブレークイーブンになる条件から。これは賃料下落がない前提での計算になります。この表面利回りとは、賃料を物件価格で割ったもの。つまり、売り主からすると表面利回りが低いほど高く売れるということであり、買い主からすると高いほど安く買えるということになります。

  • 5年後売却時表面利回り 8.03%
  • 10年後売却時表面利回り 10.79%

この数字を見ると、購入時7%でしたから、売却時にここまで利回りを高くして売ってもブレークイーブンだということです。

 

ただし賃料は下落します。東京23区のワンルームの場合、木造は5年で3%程度、10年で5%ほどの賃料低下が想定されます。これを入れ込むと、次のような計算になります。

  • 5年後売却時表面利回り 7.79%
  • 10年後売却時表面利回り 10.25%

仮に5年後に7.5%の利回りで売却したとするします。CF累計を除き、売却利益で投下資金に対して税引き後で28.39%のリターン(年換算5.1%)が得られる計算です。7%の利回りなら、46.42%(年換算7.9%)ですね。10年後だと、残債が小さくなっていることから、7.5%なら86.98%(年換算6.4%)、7%なら105.02%(年換算7.41%)の利益になります。これに、累計で得られたCFが追加になる計算です。

 

購入売却時の税金や仲介手数料が大きく、やっぱり不動産は税金と手数料との戦いだということが分かります。

懸念の融資

とはいえ、これらは銀行融資がおりなければいわゆる絵に描いた餅です。幸い2行が検討してくれているので、なんとかまとまってくれればいいのですが……。ちなみに、ぼくの場合、融資審査に関するポジティブ材料とネガティブ材料は次の通りでした。

 

ポジティブ

  • 資産額
  • 勤務先の状態
  • 太陽光以外の借入なし

ネガティブ

  • セミリタイアに伴う低給与
  • 太陽光発電所の借入

当然のことですが、セミリタイア前に比べて属性的には大幅ダウン。さらに、太陽光発電所の土地と動産がありますが、これらは銀行は担保評価してくれません。相当ネガティブな状況の中、いろいろと頑張ってくれている感じです。

 

太陽光事業があるため、太陽光の試算や法人の決算書など、個人で普通に必要になる書類に比べて相当な数の書類を出すことになりました。いずれも資料はあるので集めるだけなのですが、これを読み解いて稟議書にまとめることを考えると、銀行の融資業務というのも大変だなぁと思う次第です。

資金を用意する

今回、手付金は支払ったものの、融資が確定したら残金の支払いのために、物件価格の23%の現金を用意する必要があります。これは総資産の16%程度にあたります。

 

よくも悪くも現金は寝かせておかない主義なので、手持ちの金融資産を現金に変えなくてはいけません。現金同等物であるオルタナティブセグメントの比率は24.8%あるので、これを充てれば賄えますが、けっこうなリターンを出しているセグメントなだけに、本当総資産の20%くらいは現金として確保しておきたいもの。

 

というわけで売却候補は次のようになります。

  • 一部の米ETF(セクターETFのXLPを処分しようかと)
  • 積立しているひふみ投信(わずかな額ですが、処分済み)
  • ドルMMF(106円くらいで円転したい)
  • 優待クロス用資金
  • Bitcoin(構成比率が高まっているので一部売却したいが、税金が……)

基本的には優待クロス用資金をいったん不動産購入費用に充てるつもりです。税金を考えるとBitcoinはちょっと悩みますね。雑所得損失でカバーできる範囲内で毎年少しずつ売却していくのが基本方針だったりしています。

 

しかし優待クロスは3月末に年間の山場を迎えます。正直、資金はいくらあってもいいくらいの状況。そして、3月銘柄の利回りは1%を超えてくるものが大量にあるわけです。さぁなんとか資金がほしいのですが、さてどうするか。準備をしつつ、銀行融資結果を待ちたいと思っています。

 

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*1:シミュレーションは玉川陽介著『Excelでできる 不動産投資「収益計算」のすべて』を使っています。