FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

小口の和製ヘッジファンド? SUSTENのグリーンファンドに投資

ロボアド業界も成熟が進み、基本王道のWealthNaviだけでなく、人間のアドバイス込みのフィデリティの「ザ・ハイブリッド」、またAIによるアクティブ運用を行うFOLIOの「ROBO PRO」などさまざまなものが登場してきました。

 

しかし、WealthNaviはやっていることに対して手数料(1%)が高く、ぼくは人間のアドバイスを必要としません。また、アルゴリズムによるAI運用も信頼できるものではありません。

 

そんなわけで、ロボアドに関心を持ちつつも、距離を置いていたのですが、今回ちょっと面白いロボアドが登場したので、少しだけお試しで投資してみました。SUSTENのグリーンファンドです。

ARPにベッド

国際分散投資といういわば現代金融理論の基本に忠実なロボアドとは違い、SUSTENのグリーンファンドは、理論的には一歩先を行くものです。投資理論では、「小型株のほうがパフォーマンスがいい」とか「上がり始めた株は継続して上昇する」といったアノマリーが知られていました。

 

最近ではこれらはアノマリーとは呼ばず、市場リスクとは別のリスクを取っているという考え方からARP、オルタナティブ・リスク・プレミアムと呼ばれます。このARPに投資しようというのがSUSTENのグリーンファンドです。

 

SUSTENによると、その収益源泉は下記のようになっています。例えば、「ディフェンシブ」のARPであれば、ボラティリティが大きい株式は過大評価されているという、先日『ウォール街のランダムウォーカー』にも出てきた内容に沿って、その過大評価分を収益源泉にします。

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ここでは、市場リスクを取らないように、ボラティリティが高い株をショートして、低い株をロングし、純粋にARPだけを取り出す、マーケットニュートラルの操作が行われます。

 

このようにして、金融の歪みに着目し、そこから利益を得ようというファンドです。

ヘッジファンド的な仕組み

創業者は元ゴールドマンサックスの日本人2人で、そのビジネスモデルもヘッジファンド的です。完全成功報酬体系としており、初期投資額に対して、毎月得られたリターンの一部を手数料とします。100万円買って、それが110万円になったら、10万円に対してだけ手数料がかかる体系です。

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利益に対する手数料率は18.3%〜12.2%と高いようにも感じますが、例えば年率6%のリターンを上げたとするなら、1.1%〜0.73%。しかも相場が不調でリターンがマイナスなら手数料はナシとなるので、一般的なロボアドよりも低コストです。

グリーンファンドの魅力

ではグリーンファンドのどこに魅力を感じたのでしょうか。1つは、こうしたARPに個人で投資するのは実質的に不可能な点です。WealthNaviのような国際分散投資なら、ETFを買って1年おきにリバランスすれば、実質的に同じことができます。でも、バリュー銘柄のロングショートを組み合わせてマーケットニュートラルにするのはけっこう大変です。

 

2つ目は、分散効果です。このブログでも何度も繰り返していますが、現代金融理論において、値動きが異なる複数の資産を分散して持つことは、リターンを変えずにリスクを減らします。いかに値動きが異なるものを組み合わせるかが重要になるわけです。

 

グリーンファンドは基本的にマーケットニュートラルなので、世界の株価や債券価格の変動の影響を受けません。現在ぼくは、それぞれ異なる値動きをするアセットとして下記を保有していますが、さらに分散したいというのが狙いです。

  • 株式 市場リスク
  • 債券 金利リスク
  • 不動産
  • 仮想通貨
  • SUSTENグリーンファンド

投資してみてどうか?

というわけで、11月半ばにお試し投資をしてみたのですが、現在のところ、なかなかに残念な結果です。本日時点では2.58%のマイナス。なかなか狙ったようなリターンが出ていません。

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10月の投資成績について送られてきた報告書を見ると、グリーンファンドは過去1カ月で▲3.5%、過去6カ月で▲6.6%、サービス開始来では▲4.4%となっており、厳しいですね。

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約3割をモメンタムに配分しているのですが、昨年ほどの上昇継続となっていないせいか、こちらで3.3%のマイナスが出ています。

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グリーンファンドは、株価とは完全に独立した値動きをするはずで、別に逆張りではないため、株価が上昇しているからといって下がる理屈はありません。の割にはパッとしないのは、戦略面に課題があるのでしょうか?

 

しかしこうした投資戦略は、毎月常に高パフォーマンスを上げ続けるものではないことも事実です。まだ設定から1年経っていないファンドであり、いわば戦略の根拠となっているのはあくまでバックテスト。実際の市場でどうなるかは、今後を見ていかなくてはなりません。

 

2月のスタートから順調に純資産を増加させ、10億円間近か?と思ったところで基準価格が下落を始め、その結果、純資産総額も減少してしまいました。

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ちなみに、一般的なロボアドと同じレッド(株式)、ブルー(債券)のファンドもSUSTENは運用していますが、それぞれの純資産総額は次の通りです。

  • レッド(株式) 660M円
  • ブルー(債券) 198M円
  • グリーン(ARP)915M円

このように、SUSTENに期待されているのはぼくと同様に、ARPに投資するグリーンファンドです。ここの純資産が順調に増加しないと、存続にかかわるという感じです。

 

理論や考え方としては素晴らしいファンドだと思うので、ぜひ復活してほしいところ。早期償還だけは勘弁です。ちなみに、SUSTENは30万円以上の入金で3000円程度のバックがあるキャンペーンをアフィリエイトサイトで行っているので、関心のある方はぜひ検索して投資を検討してみてほしいです。

 

www.kuzyofire.com

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