FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

電子フロンティア財団に1030ドルを寄付した

言論の自由を守る。 監視と戦う。 イノベーションを支援する――。そんな活動を行っている国際組織があることをご存知でしょうか。米国に本部を置く電子フロンティア財団です。こちらに寄付をしました。

電子フロンティア財団とは

電子フロンティア財団(Electronic Frontier Foundation)は国際的な非営利デジタル著作権団体です。 インターネット市民の自由を促進するために1990年に設立されました。

 

濫用的な法的脅威と見なされるものから個人や新しいテクノロジーを擁護し、政府の不正行為を暴露するために活動しています、 政府および裁判所への指導を行い、政治活動や大量メール送信を組織し、個人の自由とオンライン上の市民的自由を保持すると信じるいくつかの新しいテクノロジーを支援する、 関連するニュースや情報のデータベースやウェブサイトを維持し、個人の自由や公正な使用を侵害すると思われる潜在的な法律を監視し、それに挑戦します、 また、濫用的な特許と見なすもののリストを募集し、価値がないと見なす特許を打ち負かすことを意図している。

 

ぼくが電子フロンティア財団を知ったのは、確かローレンス・レッシグ教授の『CODE VERSION 2.0』あたりだったかと思います*1。「インターネットはレッセフェールではうまくいかず、法、規範、市場、コードの4つでうまく規制するべき」ということを述べた本です。

ネットの自由は、放って置くと政府や巨大企業の権力によって踏みにじられます。日本でも「Winny事件」や「Coinhive事件」などは、最終的には無罪が確定したものの、いったん逮捕基礎されると社会的に抹殺される日本において、被告の人生を狂わせるものでした。

 

こうした横暴に対抗するため、裁判を適切に支援して、自由と人権を守る前例となるような判決を求めて活動するのが電子フロンティア財団です。

 

2007年、1歳半の息子が流れてきた音楽に合わせて踊る 29秒間のビデオを母親が撮影して、YouTubeにアップした。

“Let’s Go Crazy” #1というタイトルのこの動画は 2017年12月までに190万回もアクセスされたが、この動画に対して楽曲の著作権を管理するユニバーサルミュージック(以下、「ユニバーサル」)がYouTubeに削除するよう求めた。YouTubeは動画を削除後、その旨を母親に通知。通知を受け取った母親が「削除しないでほしい」と要請したので、YouTubeは動画を復活させた。いずれもDMCAに従った手続きである。

同時に母親はユニバーサルの “ 不実の表示 ” によってコンテンツを削除されたとして、ユニバーサルを訴えた。不実の表示とは、「これはフェアユースにあたらない違法コテンツである」と誠意を持って信じた上で削除を要請すること。この表示をした者(ここではユニバーサル)は、それによって損害を受けた者(ここでは母親)に対して損害賠償責任を負わなくてはならない。

2015年、カリフォルニア北連邦地裁は母親の主張を認め、ユニバーサルは削除要請を出す前にフェアユースにあたるかどうかチェックすべきであったとした。権利者にとっては酷なようだが、フェアユースであれば侵害にはならないため、フェアユースかどうか確認せずに、「これはフェアユースにあたらない違法コンテンツである」と誠意を持って信じた旨を記した上で削除要請してしまうと、“ 不実の表示 ”をしてしまうことになる。

36憶円の年間予算で表現の自由を守る米電子フロンティア財団 | アゴラ 言論プラットフォーム

ぼくは自由主義者ですが、それは無法地帯が望ましいということではありません。歴史が浅く変化が激しいインターネットの世界において、自由と人権を守るための活動は非常に重要です。そうした観点から今回寄付をしました。

クレジットカード、仮想通貨、PayPalで寄付が可能

EFFへの寄付はネット上でクレジットカードなどで可能です。面白いのは、クレカ、PayPalのほか、各種仮想通貨でも寄付ができることです。

ビットコインはもちろん、イーサリアム、ライトコイン、リップルなどのメジャーどころ。さらにはDashやZcashなど、送金内容も匿名化される(日本では半ば非合法的な)仮想通貨も利用できます。

寄付は、一回/毎月/毎年から選択でき、金額は自由ですが、額によってレベルが分けられています。シリコンレベル/銅レベル/金レベル/チタンレベル/レアアースレベルは、それぞれ返礼品の内容が変わります。その上のガーディアンレベルは大口献金者としていくつかの特典があります。

  • 年に一度、招待者のみが参加できる「Guardians Gathering」への参加権
  • 四半期ごとの「インサイダー・ブリーフィング」ビデオ更新
  • EFFの一般会員向けイベント(スピークイージーなど)へのご招待
  • 記念メタルメンバーカード

返礼品はステッカーからTシャツ、キャップ、パーカなど。こういうメンバーシップ感を感じられる返礼品はいいですね!

ちょっと面白いのは、PayPalなど事業者の決済手数料である3%を上乗せして支払うというオプションが選べることです。寄付の実額を1000ドルにするということですね。当然これはチェックして、1030ドルを支払いました。

PayPalは為替レートに注意

今回ぼくはPayPalを使って寄付しました。登録してあるカードはIDAREです。注意点としては、PayPalでドル決済をする場合のレートです。デフォルトだとPayPal内の換算レートが利用されます。こちら、計算してみると、1ドル160.228円換算です。寄付時のTTMが153.88円ですから、7円近く乗せている暴利ですね。

そこで支払い通貨をドルに変更します。するとカード会社側で外貨決済の手続きが取られることになります。IDAREは、こちらの記事で書いたように海外事務手数料がゼロというレアなカードなので、実質的な為替手数料はVisaが設定する0.4%程度のものになるはずです。

この形で決済したところどうだったかというと、円での支払額は15万8434円。為替レートにすると153.82円でした。PayPalのレートを使うのに比べて6600円も安くなりました。

寄付金控除の情報

今回はインターネットの自由と人権を守るための組織、電子フロンティア財団(EFF)に寄付しました。改めて寄付の概要をまとめておきます。

  • 金額 1030ドル(15万8434円)
  • 税制上の取扱い 海外団体
  • X 所得税寄附金控除:なし
  • X 都道府県条例指定寄付金:なし
  • X 市区町村指定寄付金:なし

日本における寄附金控除は国内団体だけが対象で、海外の団体に寄付した場合は全く控除がありません。ユニセフや赤十字など、日本で登録されている団体であれば控除があるのですが、ダイレクトに寄付した場合はダメなわけです。

税制的なメリットはないのですが、寄付が盛んな米国の団体だけあって、補助金などでなく寄付で活動するというベースができていて、さすがだと思っています。こういった組織に寄付することは、自分の寄付が無駄に使われないという感触があるのです。

 

2023年度は、個人からだけで1314万ドル=約19億7000万円の寄付があったそうです。こうしたAnualレポートも、ちゃんと寄付者が内容を把握できるように作られていて、日本のお役所向けの書類とは一線を画しています。さすがですね。

2024年の寄付

www.kuzyofire.com

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*1:レッシグ教授はEFFの理事でもあります。