新年あけましておめでとうございます。年初最初の記事はやはり、この1年の投資方針についてです。結論だけでなく、考え方のプロセスも記しておくことで、あとから振り返っても何を考えていたのかが分かるようにしておきたいと思います。
バケツ戦略の振り返り
よく「投資方針」とか「豊富」とかいうと、今年の経済状況を予想して、それに合わせて「日本株を買う!」とか「金融セクターに妙味!」とか「S&P500は7000ドルまで上がる!」とかいうのを想像する人が多いようです。
でも合理的で理論的な投資家を目指す九条としては、そうした予想に基づいて投資戦略を決めることをしません。誰が言ったか忘れましたが「投資成績の95%はアセットアロケーションで決まる」という通り、何にどのくらいの比率で投資するかを決めることが最も重要だからです。
そしてそれは当たるも八卦の経済動向の見通しではなく、人生のステージや状況によって決めるべきです。九条でいえば、すでに資産構築期は終わり、2024年から取り崩し期に入りました。これからは運用を続けながら、もし市況が悪化しても安く資産を売らずに済むようにしたい。そのため採っているのが「バケツ戦略」です。
これは資産を短期・中期・長期の3つのバケツに分けて、それぞれ異なるポートフォリオで運用するというものです。もし株価暴落が来ても10年程度頑張れば、再度最高値更新となる可能性は統計的に大きい。であれば、約10年分の生活費を短期・中期バケツに入れておいて、長期バケツは基本的に売らない方針で投資したらいいんじゃないか?というものです。
2024年から採用したこの戦略、下記のようにだいたいうまくいきました。短期+長期バケツはほぼ横ばいで推移し、リスクを取る長期バケツは1年で1.5倍くらいになりました。
短期+中期バケツの金額は、生活費の8-9年くらいで推移しています。
と、このように順調に推移したのは、中期バケツが生み出す分配金や配当+長期バケツが生み出す配当+副業収入が、生活費を上回ったから。下記は年間の生活費と収入を集計したものですが、まさかのプラス推移です。
これでは資産が減るはずがありません。運用でキャピタルゲインが得られなくても増えてしまいます。いや、増える事自体はべつにいいのですが、それはもっと使える機会があったのに使わなかった――つまり機会損失であり、DIE WITH ZEROから遠ざかったということです。
そのためにはもっと生活費を効果的に増やす必要があるのですが、何に使うかはまた記事を改めて考えてみましょう。
中期バケツをどうするか
では投資方針の根幹をなすバケツ戦略の中身の方針です。まずインフレ対応を主眼とした中期バケツについて。こちらは直近下記の比率で構成されています。合計して資産全体の19.3%を占めています。
- 太陽光発電所 6.8%
- 債券 7.9%
- 金 3.6%
- ドル・定期預金 1.5%
金を除けばいずれも固定的なインカムを生んでくれる資産で、その利回りは4〜9%程度となっています。正直、太陽光発電所はコントロールできないので、ほかの資産をどうするかですが、金については売買するつもりはありません。
残りのうちまずドルですが、債券の追加購入に充てることを考えています。2023年からずっと「利下げが来る、利下げがくる」と言っていて、利下げが来たら債券価格が上昇するという見込みでしたが、いざFedが利下げをしても長期金利は下がるどころか上がってしまいました。これはシンプルに景気が強いからでしょう。
その結果、債券投資は狙いを外していて失敗といえるのですが、そうはいうものの金利が高止まりしているせいで、TMFのようなレバ型債券を除けばそこまで大損しているわけではありません。例えば米超長期債ETFであるTLTならば、2024年のパフォーマンスは▲11.17%でしたが、配当を加味すると▲7.52%まで(ちょっとですが)改善します。
ただし手持ちのドルを使っての債券購入以外は、債券追加購入はしないつもり。なぜなら短期+中期バケツで8-9年分の額があり、これ以上増やしても仕方ないと考えるからです。
長期バケツの方針
次に長期バケツです。こちらは直近下記の比率となっています。
- 保険 2.1%
- 不動産 8.3%
- 個別株 11.3%
- クリプト 17%
- インデックス 36.2%
不動産については売買の予定はないのでコントロール外。ほかはいくつか考えています。
まず保険ですが、これには2025年初頭に積み立てが終わるものが含まれています。詳細は省略しますが、こちらを解約して現金化することを考えています。
個別株については10%程度なのでステイ。もし株高がさらに進んで比率が増大したら、リバランスのために少し売却する可能性があります。Google、Amazon、Meta、NVIDIA、Microsoftというこのところ素晴らしいパフォーマンスを続けてきた銘柄なので、その可能性はありますね。
クリプトについては様子を見つつですが、「最高値の更新が続いた」場合は、2025年末を目処に最大5%程度を売却する考えです。これは税払いを考えた上でのリバランスになります。
インデックスは長期バケツのメインでもあります。こちらは内容の組み換えを考えています。インデックスの内訳は下記の通り。
このうち、TOPIX連動型投信と極小の日経225インデックス投信についてはすでに売却注文を出しました。その分シンプルになるはずです。また上場MS世界株(1554)については随時売却してオルカンに乗り換えていきます。どのくらい売却するかは税負担との相談です。そしてオルカンについては、下記について購入を続けます。
- 毎月のクレカ積み立て65万円+5月からは松井証券/JCBの10万円追加
- NISA(成長投資枠+つみたて投資枠) 360万円
- クレカ関係のポイントなどによる購入
- 上場MS世界株(1554)売却資金による購入
1と2だけで2025年は1200万円くらいオルカンを買い増しできるでしょう。インデックスに関しては、複数商品を保有する利点はほとんどないので、税払いと相談しながら随時オルカンに移行していきます。
クリプトをリバランス(売却)し個別株をリバランス(売却)するわけで、市況が好調な限りは、インデックスの比率を上げていこうという作戦です。
シンプル化の年
全体として2025年は、バケツ戦略を継続しつつ、ポートフォリオについては極力シンプル化していくというのが方針です。
完全FIRE化した2024年は、市況が好調だったため、資産からの収入で生活していても資産が減ることはありませんでした。ただ今後も同じだと考えることはできません。そのとき、ポートフォリオがシンプルであるとは大事です。
セミリタイア以後、ぼくはさまざまな投資商品に手を広げて、さらに借入も行ってBSを拡大してきました。ぼちぼち、絞り込みに入るタイミングかなと思っています。