中小企業経営者や個人事業主の退職金といわれる小規模企業共済。掛け金が全額所得控除できるという素敵な制度ですが、さらに積み立てを担保に貸付が受けられるという素晴らしさ。今回、実際貸付を受けてみたので、まとめておきます。
小規模企業共済のおさらい
小規模企業共済はシンプルに見えて、意外と複雑な制度です。誰が入れて、積み立てたお金はどのように戻ってくるのか、元本割れのリスクはあるのか、積立金は増えるのか、途中で積み立て額を変更するとどんなデメリットがあるのか、そして受け取るときはどういう扱いなのか。これらを調べてまとめたのが下記の記事でした。
調べた内容に基づき、
- 個人事業主として
- 12月に
- 年額84万円を
- 翌年分として前納
しました。
ただ、小規模企業共済にはいるときは葛藤もありました。それは所得控除が受けられるとはいえ、その資金を投資に回したほうがいいんじゃないか?ということ。そりゃ投資にはリスクがあるのですが、それでも退職金として数十年に渡って資金がロックされるよりも投資のほうが成果がでるのではないか? と。それを考察したのが下記の記事です。
そして最終結論は、小規模企業共済に入ってかつ貸付を受けてそれを投資したらいいのではないか? という話。それを検証したのが下記の記事です。
小規模企業共済からの貸付
ただすぐに借りられるわけではありません。
- 2023年12月 2024年分を前納
- 2024年12月 2025年分を前納
- 2025年4月 借入限度額決定
- 2025年10月 借入が可能に
これらの詳細は下記の記事にまとめました。
さて、この10月にやっと借入が可能になったので、実際に借りに行ってきました。
商工中金で借りてきた
今回借りにいったのは商工中金です。小規模企業共済は特に銀行を指定して変更しなければデフォルトが商工中金なのです。都心某店に電話したところ、特に予約も必要なく、30分〜1時間で手続き完了ということなので、行ってきました。
商工中金に行くのは始めてなのですが、なんというか人があまりいません。一般消費者向けの業務はやっておらず、企業相手なのでこんな感じなのでしょうね。それでも10月は小規模企業共済の貸付が始まる時期なのでけっこう混むそうです。
必要な書類なのはこちら。
- 4月に送られてきたハガキ
- 印鑑証明書
- 実印
- 本人確認書類(マイナカード、免許証など)
- 収入印紙(今回は55万以上100万未満なので1000円)
もらったハガキは下記のようなものです。2023年の12月から月額7万円掛け始めて、23年が7万、24年が84万、貸付限度額が決まる4月までで25年が28万、全部合わせると119万円、その7掛けで83.3万円になるかと思ったのですが、切り捨てなんですかね。限度額は80万円でした。

申込書類を書くと、実際にはいわゆる金消契約を結んだことになり、15分ほどで現金を渡されました。金利は1.5%なので年間利息は1万2000円。実際には80万円からこの利息を先に支払う形で78.8万円が渡されます。下記のような書類です。

手渡しで受け取る方法と指定口座に振り込む方法があるのですが、振込だと手数料を取られます。なので現金で受け取って、すぐそばのATMで入金するのですが、なんかバカらしいと思うのはぼくだけでしょうか。いったん現金にしてそれをすぐATMに入れるという儀式を行えば手数料は無料。口座から口座に数字を移し替えるだけだと手数料を取るというのですから。現金取扱コストを意図的に無視しているから、こんな変なことがおきるんですね。きっと。
金利1.5%で使途自由な、78.8万円をゲットしたぜ!
— 九条@セミリタイア (@kuzyofire) 2025年10月10日
こんな札束、手が震える…… pic.twitter.com/dtkvAZvqzf
さて、この借りたお金ですが、1年後の2026年10月10日まで返済が必要で、それを超えると14.6%の延滞利子がかかります。そのため10月10日までに窓口に行って、翌1年分の利子を支払って借り直すという処理をすることになります。
おそらくそのときには、さらに貸付限度額が増加しているはず(55万? 60万?)なので、追加で借りつつ、繰り延べ処理をすることになるのだと思います。これも実際に行ったら書きたいと思います。