
投資家が集まると話題の一つとして必ず出てくるのが「どんな証券会社を使っていますか?」というものです。前回書いてから3年経ったので、いろいろ状況も変わってきました。どの証券会社を使っていて、どう評価しているか、まとめておきます。
なお、機能のマルバツとかではなく、実体験に基づいて、主観で使い勝手や善し悪しを紹介します。「いや、俺は違う感想だぞ」という人がいましたら、Twitterやコメント欄にて、ぜひご意見いただけましたら。
なお、僕の株式投資は、米国株を中心とした長期投資と、優待クロスがメインです。そのため、トレーダーの人たちにとっての使い勝手は分かりませんので、その点はご了承ください。また口座開設アフィリエイトなどは張っていませんので、口座を開く場合は自分で検索してください。
- 楽天証券
- 野村證券
- SBI証券
- マネックス証券
- 松井証券
- auカブコム証券
- PayPay証券
- 大和コネクト証券
- tsumiki証券
- GMOクリック証券
- SMBC日興証券
- みずほ証券
- 大和証券
- 岡三オンライン証券
- サクソバンク証券
- なくなってしまった証券会社
楽天証券
最も多くの資産を入れていて、NISA口座(新旧とも)も開いているのが楽天証券です。全般的なメリットは、ほぼフルサービスを提供していて競合にあって楽天にない機能や商品はないという安心感です。
個別のメリットを挙げると、
- 国内株売買手数料無料
- そのほかの手数料も基本的に業界最低水準
- 楽天キャッシュでの投信つみたて(5万円/月)
- 多機能ながら分かりやすく、使いやすいUI(Webもアプリも)
- 株式の移管がWebから無料で手続きできる
定性的な良さとしては、過去の取引データを削除せずずっと保管してくれているところです。そのため15年前の取引とか、当時の資産額などが見返せます。これは他の証券会社にない唯一のメリットだと思います。
ちなみに、楽天ゴールドカードで月間10万円、楽天キャッシュで月間5万円のオルカン積み立てをしています。また制度クロスのときには、代用有価証券を使って売りを行います。
さしたる不満点はないのですが、敢えて挙げると下記の一つくらいでしょうか。
- 優待クロス向けの一般信用在庫が少ない
野村證券
前回からの最大の変化は、野村證券のポジションアップでしょうか。楽天に次いで多くの資産を入れています。ここに資産を置く最大にして唯一のメリットは、證券担保ローンである「野村Webローン」。そのために、担保になる株式は集約しています。
メリットは下記の1点と、プラス1つ。
- 野村Webローンで金利1.5%でお金が借りられる
- 他社からの株式移管で、かかった手数料を負担してくれる
デメリットは、下記です。
- 売買には向かない高い手数料
- 意外なことに商品ラインアップは少ない
- コールセンター(担当者?)のクオリティが低い
SBI証券
続いてSBI証券です。主に端株とオルカンを置いています。端株に関しては、楽天証券よりもコストが安く取り扱いやすい。投信については、保有分に対するポイント付与、いわゆる投信マイレージがもらえます。
三井住友プラチナプリファードを使って月間10万円のオルカン積み立てをしています。また制度クロスのときには、代用有価証券を使って売りを行います。
最大のメリットは楽天を超える商品ラインナップの広さでしょうか。かなりマニアックな商品も取り扱っています。
- メリット:楽天を超える商品ラインナップの広さ
- デメリット:イケてないUI。進行中のUI改善に期待
- デメリット2:住信SBIネット銀行との銀証連携「ハイブリッド口座」の挙動が理解しにくい
マネックス証券
マネックス証券は、オルカンを保有するほか、一般信用在庫が出てきたときに優待クロス狙いで売りポジションを建てます。マネックスのちょっと面白いところは、auじぶん銀行からの即時入金に対応していて、かつ「マネックスカード」を保有していると月5回まで即時出金手数料が無料になることです。
つまり、
- auじぶん銀行含む銀行から即時入金→即時出金
ができるわけで、資金のブリッジに便利です。
またマネックスカードを使った月間10万円のオルカン積み立てをしています。
デメリットとしては、ひたすら使いにくいUIUX。また信用取引となぜか排他の米国株TradeStation。そして取引手数料無料枠がない、高コスト体質なところです。
松井証券
松井証券ではポジションを取っていませんが、マネックス同様、便利に使わせていただいています。まず他証券から移管によって入庫した場合、その手数料を負担してくれるサービスがあります。野村や大和、みずほなど、売買手数料が高い証券会社で保有している証券は、いったん松井に移管してから売却すると手数料を節約できます。
最近、銀証連携として住信SBIネット銀行のBaaSを使った「MATSUI Bank」というサービスを始めました。こちら無条件で普通預金金利が0.2%つくという太っ腹で、最近未使用資金はもっぱらMATSUI Bankに入れておくのが常になっています。
またUIUXはけっこうイケてます。正直、ぼくは楽天証券よりも好きです。ただ細かなところでは楽天のほうが練られているなと思うところも。
デメリットは、
- 手数料無料枠が50万円という中途半端な額
auカブコム証券
auカブコム証券は、au PAYカードを使った月間10万円のオルカン積み立てをしています。還元率は10万円までいっても業界随一の1.0%。これが唯一の取り柄です。
デメリットは
- 旧態然としたUIUX
- 入出金金融機関に制約あり
PayPay証券
前回は使っていなかったPayPay証券。PayPayカードを使った月間10万円のオルカン積み立てをしています。メリットは、PayPayポイントを使って投信が買えること。それくらいかな。
デメリットは、
- PayPayミニアプリは真面目に使おうとすると使いにくい。PCからはアクセスできない
- 投信以外商品が実質ない(敢えて利用する意味がない)
大和コネクト証券
スマホ証券である大和コネクト証券では、セゾンカードを使った月間10万円のオルカン積み立てをしています。それが唯一の使い道です。
tsumiki証券
クレカ積み立て専業のtsumiki証券では、エポスカードを使った月間10万円の投信積み立てをしています。オルカンがラインアップにないため、仕方なくセゾンバランスファンドの積み立てです。
GMOクリック証券
GMOクリック証券は、一般信用で在庫があるときにクロス用に利用しています。
実はUIUXは使いやすく、業界随一だと考えています。また、現物・信用それぞれで100万円/日の無料枠があるので、現引きや現渡を使えば、かなりの額が無料で取引できます。まぁ楽天・SBIならそんなことを考える必要もないので、敢えてGMOを使う理由もないのですけど。
米国株も取り扱っていないので、商品ラインナップが薄すぎて、UIは好きだけどメイン証券会社には遠いです。どちらかというとCFDがウリという感じです。なお即時入金が15-17時の間に謎に使えないのはイケていません。
SMBC日興証券
SMBCグループの中で忘れ去られた感のある日興証券。最近、ベースカラーが赤から緑になってグループ感を押し出してますが、どうなんでしょう。
一般信用の在庫が豊富で、かつ手数料無料、売りの貸株料も安いと、いまでも一般信用メインならイチオシの証券会社です。また松井証券同様、移管を受けた場合、手数料を負担してくれます。また、面白いところでは入金時の振込手数料も負担してくれます。またIPOやPO、分売などがそこそこあります。当たったことはありませんけど。なお、信用取引以外のコストはバカ高いので、信用取引以外に使う気は起きません。
入金ルートは限られていて、実質三井住友銀行を使うのがマスト。三井住友銀行を経由すれば即時入金・即時出金が無料で可能なので、けっこう資金管理は便利です。UIUXは古臭さを感じますが、古いなりにシンプルで、実は嫌いではありません。
みずほ証券
一応口座を持っているのがみずほ証券です。これはその昔、勤務先の指定証券会社ということで口座を作らされました。今となっては何があっても利用することはないでしょう。そうだ、解約しよう。
大和証券
何かの理由で作った大和証券。NISA口座の株を證券担保ローンの担保に使えるという大技があるのですが、自分でそれを活用するには至っていません。あまり細かくは調べていないのですが、商品や手数料、サービスについては野村證券の劣化版というイメージ。大和証券を活用しているという人がいたら、ぜひ着目点を教えて下さい。
岡三オンライン証券
そういえば岡三オンライン証券の口座も持っています。IPOとかのためにつくったのかな? これも特に特徴はなく、解約候補です。
サクソバンク証券
マニアックさピカ一なのがサクソバンク証券。特定口座についに対応しましたが、ぼくが利用するのはCFDやFXなので、特定口座を使う理由はありませんね。日本株CFDが幅広く利用でき、ショートも可能で手数料無料なので、制度信用が危険で一般信用在庫が枯渇している場合のショートに利用可能です。
税金の処理は面倒なので、そこは注意点かな。
なくなってしまった証券会社
そういえばこの数年でなくなってしまった証券会社もあります。SNSで一斉を風靡したネオモバイル証券、キャンペーンが秀逸だったLINE証券がそうです。
なお、ロボアドも何社か口座を持っていますが、これらはいわゆる証券会社とは別と位置付けています。