FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

オルカンはまさに日本の投資家のリーサル・ウェポン ポートフォリオ#5

九条が保有する銘柄=ポートフォリオに関心をお持ちの方も多いということで、連載的に、保有する投資先の中で、評価額が大きい順に連載的に紹介していきたいと思います。「どんなナラティブを信じて保有しているのか」というメタトレンド的な解説が中心になります。

 

第5回はみんな大好きオルカン。eMAXIS Slimオールカントリー全世界株式です。

日本にはオルカンがある

以前も書いたように、購入当時の最適解を選択していった結果、ぼくは複数のインデックス投信(ETF)を保有しています。初期はIVV+EFA+EEM、続いてはVT、そして上場MS世界株【1554】、楽天VTなど。しかし、いま買い付けているインデックスはeMAXIS Slimオールカントリー全世界株式。通称「オルカン」です。

www.kuzyofire.com

上記に挙げた投信・ETFはいずれも全世界の株式に投資するもの。ではなぜ今はオルカン一択なのでしょうか?

 

その答えはコストの安さ……ではありません。実は運用コスト最安は、現在オルカンではありません。下記はダイヤモンドZaiがまとめた全世界株式の実質コスト一覧です(並び順は信託報酬の低い順)。

  1. 楽天インデックス オールカントリー 0.198%
  2. eMAXIS Slimオールカントリー   ??
  3. はじめてのNISA全世界株式    0.082%
  4. Tracers全世界株式        0.14%
  5. ステート・ストリート全世界株式 ??
  6. たわらノーロード全世界株式  0.156%
  7. SBIインデックス全世界株式  0.120%

eMAXIS Slimオールカントリーの実質コストはZaiは未計算としていて実際は分かりませんが、信託報酬でも総経費率でも他のファンドに負けていて、実のところどうなるか分かりません。このあと引き下げが行われるかどうかも分かりませんが、必ずしも最低コストではないのです。

純資産総額の大きさが継続性を担保する

ではオルカンの最大の魅力はなにか。それはeMAXIS Slimシリーズが5.5兆円もの純資産総額(AUM)を誇っていることです。

良くも悪くもインデックスは差別化が難しい商品です。運用会社の人はいろいろ「ウチはここが違う」と言いますが、なかなかそれが結果に数字として現れるものではありません。そんな中、投資家は何に注目したらいいでしょうか。

 

一つはコスト、そしてもう一つが純資産総額なのです。オルカンのAUMはここ数年で急拡大しました。

  • 楽天インデックス オールカントリー 3,376億円
  • eMAXIS Slimオールカントリー   55,455億円
  • はじめてのNISA全世界株式    581億円
  • Tracers全世界株式        58億円
  • ステート・ストリート全世界株式 0.4億円
  • たわらノーロード全世界株式  1,126億円
  • SBIインデックス全世界株式  2,406億円

競合のオールカントリー系投信を見ると、オルカンのAUMの大きさが圧倒的であることが分かります。

 

ではなぜAUMが重要なのか。それは投信の継続性のためです。オルカンを短期投資で買う人は稀でしょう。多くはNISAなどを使い20年、30年という長期投資のためのビークルとしてオルカンを買っていると思います。では長期投資にとって大事なことはなにか。

 

もちろんコストは大事ですね。毎年継続的にかかるので複利で効果が効いてきます。そしてもう一つ大事なのは継続性です。せっかく長期投資対象だと思っても、途中で繰り上げ償還されてしまっては投資が継続できないからです。

 

さすがに野村や日興、ステート・ストリートなどの大手が運用する投信ならば大丈夫だと信じたいですが、はっきり言って儲からない投信はいつ償還されてもおかしくないですね。そしてオールカントリー系の投信はコスト競争の末、儲からない商品になってしまいました。

 

オルカンの信託報酬率は0.05756%。これは100万円分運用してもらって575円の年間コストです。信託報酬1%取っている投信の17分の1です。こうなると、薄利多売で規模を大きくするしか儲かる道はありません。現在オルカンは5.5兆円規模なわけですが、31.8億円の信託報酬額でしかありません。

 

運用会社である三菱UFJアセットマネジメントの売上高は1019億円(2024年度)。看板商品のオルカンは売上のうちわずか3%くらいしか貢献していないのです。オルカンでさえこのくらいの売上高なので、AUM数千億円規模の投信が全然儲かっていないのは想像にかたくありません。

脳死でオルカン

そんなわけで、いまやオルカンの最大の強みはAUMの大きさです。しかも敢えてeMAXIS Slim S&P500ではなくオルカンを買っている人は、長期投資前提でしょう。多少の相場変動には目もくれず、ひたすら積立を続け、20年後、30年後の果実を取る。そんなオルカンユーザーにとって、「業界最低水準の運用コストを、将来にわたってめざし続ける」という方針と、他を圧倒するAUMの大きさによる安心感は、唯一無二の価値となっています。

 

そんなわけで、いまやオルカンはぼくの総資産の5.8%に達しています。NISA口座で購入するだけでなく、隙あれば随時買い増しを続けています。ぶっちゃけ、保有オルカンのうちかなりの額が特定口座です。今後も、NISAでオルカンを書い続けるとともに、隙あればオルカンを買っていくでしょう。オルカンはまさに日本の投資家のリーサル・ウェポンなのです。

  1. Bitcoinのナラティブを考える ポートフォリオ#1

  2. VT=リスクプレミアム・コレクション ポートフォリオ#2

  3. 初めての不動産は東小岩のアパートだった ポートフォリオ#3

  4. IVV―もっとも透明なインデックス ポートフォリオ#4

  5. オルカンはまさに日本の投資家のリーサル・ウェポン ポートフォリオ#5

  6. 進化し続けることの価値、Ethereum ポートフォリオ#6

  7. 金のインゴットを持っている理由 ポートフォリオ#7

 

www.kuzyofire.com

 

www.kuzyofire.com