FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。投資歴20年以上。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

未来の勝者 Google ポートフォリオ探訪(7)

不定期連載のポートフォリオ紹介、第7回はGoogleです。いわずと知れたWebサービスの王。こちらの銘柄を2008年から所有しています。どんな経緯で購入を決めて、いまどう考えているのかを振り返っておきます。

Googleの強さ

Googleは2004年上場。当時から検索エンジンで圧倒的な強さを誇っていました。日本での強さを肌で実感したのは2006年の国内でのGmail提供です。当時、Gmailは招待制でしたが、これに関係する仕事をしていてアカウントをいただきました。この使い勝手にはシビレましたね。いまとなっては誰もが当たり前に普通に使っていましたが、「フォルダ分けはしないで検索メイン」「使い勝手のいいWebメール」ということで、その後の一般公開を経て大ブレイクしましした。

 

2001年に日本法人の設立を機にラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンが来日。実はそのときに2人に会ったこともあります。一応、自慢です。写真のペイジもすごく若いですね。とてもフランクでシャイな青年で、日本に観光に来た大学生という風情だったことをよく覚えています。このときは、すごい経営者だなぁ!とは実はそれほど思わなかったんですよね。

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Google上場時に株を買ったという友人が、その株を売ってマンションを買ったという話も聞きました。上場当時からGoogleの魅力を感じていたのに、なぜ買わなかったのか? と後悔したものです。

 

同じ時期に、「Googleってすごいよ!」と友達に話していたら、「ならなぜGoogleに転職しなかったの?」と言われたことも。今では狭き門でスーパーエンジニアでもない限り働くことはかなわないGoogleですが、当時はそこまででもなく、英語さえできれば意外と入るという人もいた感じでした。

 

それも叶わないなら、株だけでも買っておこう。そんなふうに思ったのが2008年です。Amazonと同じタイミングで買ったので、「これからはITの時代だ。その中で世界トップの企業といえば、やっぱりAmazonとGoogleだろう」そう思ったわけです。

買付タイミング

実際にGoogle株を買い付けたタイミングは次の通りです。

  • 2008年10月 166ドル(分割考慮後価格)
  • 2008年12月 144ドル(分割考慮後価格)
  • 2012年11月 330ドル(分割考慮後価格)
  • 2014年7月 ClassAとClassCに分割。ClassAに移し替え
  • 2017年10月 973ドル 一部売却

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ClassAとClassCの分割にともなう諸々は、下記の記事で詳しく書きました。 

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長期グラフで見ると見事に右肩上がりで上昇しているGoogleの株価です。現在は1752ドル。ほかのポートフォリオがAmazonとFacebookだったことと、2014年にいったん益出しをしているために、それほど額的に大きく増加している印象がなかったのですが、この平均買い付け価格から見ると、まぁ10倍くらいにはなっていますね。

Googleという会社

Googleという会社は、2人の天才創業者が作ったアカデミックなカルチャーに、サン・マイクロでJava開発を推進し、ノベルのCEOからGoogleのCEOに移ったエリック・シュミットの素晴らしい経営力が合成されたものです。

 

知人に米Google創業期のメンバーだった人がいるのですが、彼女がいうにはGoogleはそれはもう大学のような場所で、当時掲げていた「Don't Evil」という言葉は従業員の誰もが心から信じていたという感じでした。もっとも、2007年あたりだったでしょうか。彼女は「私の知っているGoogleは変わってしまった」と退職をしてしまったのですが。

 

エンジニアリングに基づいて画期的なソフトウェアを開発してきたGoogleですが、M&Aでもかなりのトライをしてきました。Bloggerの買収(2003年)、Keyholeの買収(2004年)、Urchinの買収(2005年)、Writelyの買収(2006年)など、現在のGoogle Earth、Google Analytics、Google Appsにつながっていることが分かります。

 

そしてなんといっても忘れられないのが、2006年のYouTubeの買収です。16億5000万ドルという多額の買収であり、その後のMotoloraの買収まではGoogleとしても最大規模の買収でした*1。YouTubeはサービス開始から1年経たずにこの巨額で買収されたわけですが、当時サーバと回線だけで月間100万ドルのコストがかかっていたそうです。さらに、当時は違法動画も多く、果たしてサービスが存続していけるのか将来が危ぶまれていたところでした。

 

これを見事に巨大なビジネスにしていったのはさすがGoogleです。直近の2020年7-9月期の決算では、YouTubeだけで50億3700万ドルの売上高となっており、恐ろしい規模に成長したことが分かります。

Googleの業績

Googleの過去の財務の推移を見ると、見事にきれいな右肩上がりなのが分かります。成長率こそ鈍化してきていますが、この売り上げの伸びはさすがです。

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利益は?というと、こちらも売り上げ同様に急増しました。2017年には四半期で唯一の赤字を出していますが、これは税金絡みで1兆円を超える引当を積んだため。事業の悪化によるものではありません。

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下記については2015年からのグラフなので注意です。株価は上昇を続けていますが、EPSも同様に増加しているため、実はPERは横ばいです。

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唯一気になるのは、手元キャッシュが増え続けていること。1325億ドルにまで増加しており、その割には自社株買いが少なく、発行済み株式数は横ばいです。しかもずっと無配です。

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2012年から配当を始め、積極的に自社株買いをしてきたAppleとは違い、Googleは有り余るキャッシュを何に使うのか? という株主としての疑問はあります。Motolora以降、大型買収もしておらず、今後の事業展開が気になります。

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なぜGoogleを持ち続けるのか

2017年に一部売却したとはいえ、現在もGoogleはポートフォリオ内で7番目に大きなシェアを持ちます。なぜ株を持ち続けているのでしょうか。

 

それは同社が前例や慣習にとらわれずに組織を作り、サービスを作り、事業を展開してきた、未来を先取りする企業だからです。Googleの変わった人事組織や採用方針はさまざまな書籍でも触れられていますが、少なくとも商慣習に迎合するつもりのない会社であることは、よく分かります。

 

まだ六本木に本社があったころ、こんなことがありました。Googleの社員に会うために向かったのですが、時間を間違えて遅刻してしまいました。もらっていた入館のためのパスは入り口で時間切れのため弾かれてしまいます。受付で相手に連絡を取ろうとしたら、そもそも受付がありません。ゲートと警備員しかいないのです。結局、メールだか電話だかで相手に連絡を取ってなんとかなったのですが、アポなしの客は取り次ぐ方法もないというのは、Googleらしいですね。

 

最近でこそ、大口の法人顧客にはGoogle側で担当者がつくようになりましたが、それ以前はサポートとか担当者という概念もあまりなかったように記憶しています。Googleのサービスでトラブルがあっても、連絡手段がない。というか、フォームで連絡して対応を待つのみ。こんなことが許されるのも、Googleのサービスが唯一無二で、サービスを買ってやってるというよりは、サービスを使わせていただいているという状況だからです。

 

ちょうど先日も、認証システムのトラブルで、世界的にサービスが1時間弱止まるという出来事がありました。これが日本企業ならば、「記者会見をしろ」「原因の究明と対策を話せ」とすごい騒ぎになるところですが、Googleは海外メディアに短文のレポートを送ったのみ。Gmailが使えない、YouTubeが見られないとけっこうな不便があったのですが、それで済んでしまう。これが強いサービスを持っている企業だということです。

 

未来学者レイ・カーツワイルはシンギュラリティの概念を世に広めたことでも有名ですが、彼がいうAIが人間を超えるときが来るとしたら、それを実現させるのは、Googleが筆頭なのではないかと思っています。優秀なエンジニアの確保ももちろんですが、AIの開発には莫大なデータが命であり、それを最も大量に抱えているのがGoogleだからです。

 

そうしたAIでのブレイクスルーを成し遂げたとき、Googleのポジションは今よりもさらに何倍にも大きなものになるでしょう。それを考えると、Googleを手放すなんて狂気の沙汰にさえ感じてしまいます。

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*1:2007年にダブルクリックを31億ドルで買収したのは、アドサーバ業界には衝撃でした