FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

経済

景気後退は遠のいたのか? 株価最高値更新ラッシュの中で

いやはや株価指数の最高値更新が続いています。NYダウも、ナスダックも、S&P500も史上最高値、日経平均も年初来高値更新中です。これはこのまま進むのでしょうか? 景気後退までの最後のひと光? それでも景気後退はやってくる 景気後退までの最後のひと光?…

無からお金を生み出せるのは政府と銀行だけ 信用創造の不思議

最近、「信用創造」という言葉に関心を持っています。これは銀行が「貸し出し」を通じて、世の中にあるお金を増やすことができるという不思議な行いのことです。 貸し出しでお金が増える不思議 通貨発行権=シニョレッジ 民間銀行が持つシニョレッジ=信用創…

HFT(高頻度取引)はどうやって儲けているのか?

昨今の東証取引高の5割から7割を占めると言われているのが高頻度取引(high-frequency trading, HFT)です。証券取引所のサーバのする側に自分のサーバを起き、ミリ秒単位で注文を出して取引を行うことで、利益を上げていきます。しかし、このHFTは、どうし…

登録制から免許制 パターナリズムとはなにか

ミルトン・フリードマンといえば、一般的にはマネタリズムの主張者として有名です。しかし、自由をこの上なく愛すリバタリアン界隈では、新自由主義の精神的支柱ともいえる人物でもあります。 そのフリードマンの著書『資本主義と自由』から、自由主義の敵で…

Libraがドルに代わる日

Bitcoinが生まれて10年。この得体の知れなかった仮想通貨という代物は、一つのアセットとして投資家の間に定着してきました。そして、仮想通貨のセカンドステージがいま、始まろうとしています。Facebookが進めるLibraです。 先日、英イングランド銀行総裁が…

「長期的には我々はみな死んでいる」景気の変化を投資にどう反映させるか

自分自身もそうなのですが、米中貿易戦争で経済の先行き不安だとか、円高が進んだとか、S&P500が史上最高値だとか、FRBがどこまで利下げをするだとか、経済やマーケットの動きについ、一喜一憂してしまいます。 単純に経済とマーケットは面白いんですね。0.5…

止まらない米中貿易戦争 米株も大きく下落

23日の焦点は、ジャクソンホールで会合を設けるFRBパウエル議長が、利下げについてどんなニュアンスで話すかでした。ところが、同タイミングで中国が、米国からの輸入品に5-10%の追加関税を課すと発表。これに対してトランプ大統領は、発動中の追加関税率を…

リセッション間近? イールドカーブ逆転で債券上昇

暴落というほどではないのですが株価が軟調です。日経225もS&P500もずるずる下げている感じ。そして、米国債の利回り低下=価格上昇が話題です。 www.bloomberg.co.jp 30年債が利回り2%切り 株価も軟調 しかし暴落ではないか もう少し下がってくれれば高配…

円高105円台。株安、そしてランドも急落

1ドル105円台と急速な円高が進みました。理解している限り、背景は3つあります。 FRB10年ぶりの利下げで金利差拡大 トランプの制裁関税第4弾 1ドル=7元の元安、ドル高 利下げで金利差拡大 制裁関税第4弾 元安、ドル高 ランドも急落 利下げで金利差拡大 一般…

公務員にはコスト削減のインセンティブはあるのか?

先日、児童手当の継続確認書類が来ました。書類に署名して必要な書類を添付して郵送です。昨今、本人確認でさえeKYCという形でネット上で完了する仕組みが動いているのに、どうして役所の手続きは紙ベース、郵送ベースなのでしょう? これを受け取った側が一…

債券バブルとはどういう意味か

昨今「債券バブル」という言葉をよく聞きます。要は債券価格が想定以上に上がっているということなのですが、これはなぜで、どういう背景があるのでしょうか? 上昇続ける債券価格 債券価格はなぜ上昇するのか? 世界の金利は下がり続けている 債券バブルの…

なぜ日本人は「ものづくりをする中小企業」が好きなのか

プロジェクトXじゃあないけれど、日本人は町工場が高い技術力ですごいことを成し遂げる、というのが本当に好きなんだなぁと思います。これは、池井戸潤の小説『陸王』や『半沢直樹』シリーズでもそうですね。 悪代官 vs. 庶民の構図が根底にある? 日本の生…

私有財産は資本主義の基本だけど、儚いもの

昔からある夢をよく見ます。車を駐車するのですが、どこに置いたのか思い出せず、いろいろなところを探し回るというものです。これまで何台も車を買い替えてきましたが、車種こそ変わるものの、いつも同じような夢を見るんですね。 これをもとに夢判断をしよ…

生活が成り立たないから給料(報酬)をアップするべきなのか

先日、いまの収入だと生活が成り立たないからもっと給料(報酬)をアップしてくれないものか……という話を聞きました。話をきいてみると、確かにたいへん。これはそのジャンルでトップレベルになっても生活が成り立たない金額です。でもこのロジックってどこ…

書評『日銀破綻 持つべきはドルと仮想通貨』ハイパーインフレに備える

元JPモルガンの敏腕トレーダーである藤巻氏の最新著書を読みました。日本の財政が厳しい状態にあり、破綻は不可避。で、どのように破綻するかというと、ハイパーインフレが起き、日銀が倒産して、新日銀が誕生するというシナリオではないか? ということを記…

「働かなくていい世界」になったら給料は誰が払ってくれる?

AIの発展が急速に進み、肉体労働が機械に奪われたように、事務的作業も機械に奪われる世の中になろうとしています。これは、早い遅い、どの程度まで、という議論はあっても、方向性としては間違いのないところです。 当然「AI脅威論」が出てくるわけですが、…

エンタテインメントとしての買い物

毎日新聞の読者投稿が話題になっていました。スーパーがセルフレジになって、店員とコミュニケーションがなくなったので、買い物に行く気がしない、という内容です。 近くのスーパーがセルフレジを導入した。今まで店員さんが入力していたバーコードを自分で…

時価総額という不思議 『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』

cisという個人投資家を知っているだろうか? トレードで230億円もの資産を築いた個人トレーダーでTwitterを活用しており、「一人のチカラで日経平均を動かせる男」として有名です。その彼が著書を書いたのでさっそく読んでみました。 cis氏は基本的にデイト…

労働の価値は増えるのか、減るのか、それとも格差上昇なのか

ピケティの『21世紀の資本』を改めて読んでいます。この本、これだけ話題になったのに、実は読んでいない人が多いということで有名です。700ページを超える本なのでわからなくはないですが、複数の人から「r>g という式が一番重要。この本、表紙以外見る必…

ピケティの言う「r > g」で、なぜ r は g よりも大きいのか?

なぜ投資が重要か? という話をすると、多くの識者が「r > g」というトマ・ピケティの式を持ち出します。これはベストセラー『21世紀の資本』で語られたもので、r = 資本の利益率が、g = 経済成長率を上回っているため、給与の伸びよりも資産の伸びのほう…

レイ・ダリオの景気循環理論 現在は債務サイクル末期?

世界最大のヘッジファンドブリッジ・ウォーター・アソシエイツを運営するレイ・ダリオを知っているでしょうか? ヘッジファンドは資産規模が大きいほど運営が難しくなるといわれますが、このファンドは16兆円の資産を運用しています。さらに、「オールウェザ…

起業?給与?投資?世界のビリオネアは何で資産を築いた?

資産1億円以上、世界だと100万ドル以上を富裕層といいますが、彼らはどうやって資産を築いたのでしょう? 幻冬舎GOLD ONLINEに、資産10億ドル、つまり1000億円以上のビリオネアが、資産を築いた方法を国ごとに分類した記事が載っていました。これがかなり意…

お金は汗水たらして稼ぐもの

「社蓄」という言葉まで登場してるのに、お金は労働の対価としてもらうのが当たり前、と考える人が多いのは、「お金は汗水たらして稼ぐもの」という一面的な見方の刷り込みがあるのかもしれません。 まず1つ目に、ピケティが『21世紀の資本』で明らかにした…

Time is Moneyではなく、Money is Timeだったら

先日、「In Time」という映画を見ました。遺伝子操作で永遠の命が実現した未来。人は25歳になると成長がとまるのですが、そこからの寿命は1年だけ。働くと寿命=時間を得ることができ、日々の買い物にも寿命=時間を使うという世界の物語です。 In Time (字…

給料の額の決まり方 優秀でも増えないわけ

自分の給料の額はどのようにして決まると思います? 会社の人事規定があって…というのもありますが、ではその規定はどのように決めているのでしょうか? 企業は、社員を労働力という商品だと考えています。新卒から労働力を買い取って、対価として給料を渡す…

自由な髪型を企業が求めないわけ

ヘアケア製品のブランド、パンテーンが展開している広告が話題です。壁面広告につい見とれてしまい、「自由な髪型で内定式に出席したら、内定取り消しになりますか?」というメッセージに考え込んでしまいました。 企業は、より優秀な若者を新卒採用するため…

書評:『投資と金融にまつわる12の致命的な誤解について』〜リスクプレミアムの謎

『投資と金融にまつわる12の致命的な誤解について』を読みました。著者の田渕直也氏は先日読んだ『ファイナンス理論全史』の著者でもあり、なかなかフェアで読み応えがある一冊でした。 投資と金融にまつわる12の致命的な誤解について 作者: 田渕直也 出版社…

Binance、その恐るべき成長

2017年の仮想通貨高騰では、どんな仮想通貨に投資していた人も大きく利益を享受しました。一方で、ゴールドラッシュの際に最も儲かったのがスコップを売っていた人であるように、仮想通貨業界で最も利益を出したのは取引所です。 日本でも、コインチェックの…

賃貸vs.持ち家 ファイナルアンサー

その昔から、賃貸と持ち家はどっちが得なのか? は永遠の論争テーマのようです。「先行きは不透明だぜ!」というスタンスの方は賃貸有利の結論になることが多いですし、「家売るのが仕事だぜ!」というポジションの方は持ち家有利をいいます。 でも、税金論…

Bitcoinはデジタルゴールド ピーター・ティール

最近、ピーター・ティールについて書かれた『ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望』を読んでいます。ペイパルの創業者でありパランティアなど巨大ユニコーンの設立者でもありFacebookへの最初期の投資家でもあるなど、尊敬すべき投資家…