FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

経済

「安くて高品質の国」から安くて品質も悪い国へ

このところの円安と資源高のダブルパンチで、各所で話題なのが値上げです。ところが、値上げよりもひどいのが、「価格そのままお値打ちダウン♪」という取り組みではないでしょうか。 安くて高品質の国だった日本 安さ重視で品質が犠牲に ステルス値上げ、サ…

ドル円135円突破 ヘッジ大失敗の顛末

今日はドル円がついに135円を突破しました。13日夕方時点では少し落ち着いて134.5円といったところですが、実に20年4カ月ぶりの円安。すごいことになっています。 135円のチャート 為替ヘッジはどうなった? 円安がさらに続き140円突破など 円高に振れて120…

インフレになると税金も上がるって知ってました?

米国で高インフレが話題です。日本ではまだインフレと騒ぐほどは物価は上がっていませんが、このあと原油高やウクライナ侵攻の影響を価格が織り込んで、さらに物価が上がると思うと、本当にインフレがやってくるかもしれません。 ところで、インフレが起こる…

インフレ対応と金融引き締め対応の両方に対応するポートフォリオ

今振り返ると、コロナ後はシンプルで分かりやすい相場だったといえそうです。各国は大規模金融緩和を進め、上がるべくして株価は上昇。金余りの金融相場の中、債券を除けば何を買っても儲かったという相場でした。 ところが今起きているのは、想定以上のイン…

ドル円が122円に 初心者向け為替の考え方

円安が止まりません。この1カ月でドル円は115円から122円へと6.19%も上昇しました。これによる影響は大きく2つ。1つは輸入物価がダイレクトに6%上昇し、今後、さらに物価が上がるだろうということ。もう1つは、ドル建て資産を保有している人は、それだけで…

ウクライナ侵攻の株価影響を時系列で

今や世のニュースはウクライナ侵攻一色です。それにともない、株価も乱高下しているわけですが、さてここまでのところ、ウクライナ侵攻がどのように行われ、どう株価に影響しかのかを振り返っておきます。 1月FRBタカ派転換で不調だった ウクライナ侵攻を朝…

全世界株安 どのくらい下がったのか?

このところ、株価下落が続いています。まぁ要因としては、オミクロンに加えて、思ったよりもインフレが強そうだぞということで、FRBが金融引き締めを急ぎそうだという観測からでしょう。そのためグロース株への影響が大きいわけですが、さて、どのくらい下が…

2021年の投資を振り返る 株式編

米国市場は12月31日もやっているので、日本時間元旦の早朝まで相場は動いているわけですが、まぁだいたい1年が終わったという感じです。この1年の株式相場を振り返ってみたいと思います。 右肩上がりだった米国株価指数 ボックス相場になってしまった日本株 …

現金をなくすと何がいい? 書評『現金の呪い』

前から読みたかった本『現金の呪い』を読みました。こちら、ホラー小説ではなくて、現金が存在することでさまざまな不都合が起き始めている。これをなくすとどんな良いことがあるか? どうやったらなくせるのか? を書いた本です。 現金の呪い――紙幣をいつ廃…

今の株式相場の読み解き方 金融緩和の行く末から

オミクロン株の流行懸念で株式市場はそこそこ下落しました。これを「コロナが再び流行るから下落」と言ってしまうのは簡単ですが、その裏側ではもう少し込み入った理屈の連鎖があります。今回はそこを読み解いてみます。 金融緩和がもたらした株高 正常化を…

『ガイトナー回顧録』 金融と金融危機とは?

『ガイトナー回顧録』を読みました。Kidle版で読んだのですが、これがまた長い。書籍版だと678ページにもなります。それでも最後までドキドキしながら読めたのは、ガイトナーが体験した金融危機があまりにスリリングで、対処するために1日1日とギリギリの戦…

衆院選、各党の投資家関連の公約をまとめてみた

今度の日曜日は衆議院選挙です。どこがどうなるかという政局は全く分からないのですが、一投資家として、どの政党が投資家関係の事柄について、どんな公約を掲げているのかを、抜き出してみました。 自民党 立憲民主党 共産党 維新 国民民主党 全体として 自…

ドル円ついに114円 通貨安の国に住むことの幸せ

ドル円が急速に上がっています。今日、10月15日にはついに114円を突破。2018年11月以来、約3年ぶりの円安水準です。 通貨安の恩恵 米国株投資家はさらに有利 為替の動きのメカニズム 為替と利回りの両取り 通貨安の恩恵 投資家にとって、円安はどういう意味…

日本には“小さな政府”を目指す政党がない リバタリアンの奪い合い

岸田総裁が首相になりましたが、彼は「新資本主義」を掲げています。これは小泉内閣以来、(庶民の)痛みを伴う構造改革によって経済成長路線を目指してきた政策の転換だと考えられます。方向性としては、弱者の所得底上げと金融増税。要するに、再分配政策…

昨今の株価を動かす“金利” FOMCに振り回される

このところ、米国株式相場が荒れていますね。上がったり下がったりは相場の常ですが、短期の値動きには大体において材料があります。いまの材料は、まぁ“金利”です。 米国の動向に振り回される株式 米国のインフレ懸念 金利上昇はそもそも経済好調ではなかっ…

高まる脱炭素、SDGs——もはや無視できないESG投資

菅首相の「2050年カーボンニュートラル宣言」からこの方、急速にサステイナブルの動きが高まってきているように感じます。果たしてこの動きは投資家にとってどんな影響があるのか、考察してみました。 サステイナブル用語のまとめ 投資家とサステイナブル 投…

金融相場から業績相場へ 書評『相場サイクルの見分け方』

コロナ禍で株価が上昇した背景として「金融相場」という表現が使われます。また、それから状況は変化して、現在は「業績相場」だとも言われます。これらは一体何で、それぞれの相場サイクルでは、いったい何に注目したらいいのでしょうか? 株式相場の状況を…

紙幣の起源と信用創造 借金がお金を作り出す

お金の起源って考えたことがあるでしょうか? よくある説明は、最初は物々交換だったけど、それだと食料などは腐ってしまうし、欲しいもの同士の交換が難しいし、貯蔵もできないので、代わりに金などがトークンとして使われた、というものです。 では、そう…

価格交渉から固定価格、そして再びダイナミックプライシングへ

考え始めると価格というのは本当に面白いものです。どのように価格を付けるか。このプライシングという手法は、どのように考えられてきて、どう進化してきたのでしょうか。 ミクロ経済学でいう、需要と供給 固定価格の誕生 固定価格ではない場合 価格を変え…

銀行振込の裏側 CBDC(デジタル円)ってなんだ?(2)

前回、全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)の手数料引き下げの話題から、銀行間の送金、つまり振込がどんな仕組みで行なわれているのかを見ていきました。その複雑になっている構造を、抜本的に解決する手段として、CBDCがある……。ということで、今…

銀行振込の裏側の仕組みはどうなっているのか?(1)

先日、全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)が、銀行間送金手数料を値下げすると発表しました。40年以上前に決めれた手数料が、今回半減し、金額問わず一律62円になるといいます。これで銀行振込の手数料が下がるとされていますが、はて、そもそも銀…

日銀買い入れがTOPIXにシフト だから日本株は信用できない

3月19日に、日銀が金融政策決定会合で買い入れるETFの対象を、日経平均を廃して完全にTOPIXに切り替えることを明らかにしました。結果、日経平均への寄与度が最も大きいファーストリテイリングの株価は5910円と大幅安となりました。 日銀砲でファストリ6%下…

ついに来た長期金利上昇 その影響を考える

ここ数日、株価下落の要因として長期金利の上昇がいわれています。では、長期金利が上昇するとなぜ株価が下がって、どんな影響があるのでしょうか? 長期金利が1.6%まで上昇 なぜ長期金利が上昇したのか? 長期金利が上昇すると起こること 一時的なショック…

いまはコロナバブル? そのカギは金利にある

コロナバブルといわれて久しいですが、世界中でリスク資産の価格上昇が止まりません。金融機関のストラテジストの多くは、「今後も金融緩和は止められず、コロナ収束後の消費回復でさらに株価は上がる」という説明をしており、バブルだとはいえ、まだしばら…

なぜEV支援が必要なのか 市場に任せておけないわけ

Teslaに代表されるようなEV企業に対し、日本の自動車メーカーは出遅れていると言われます。そしてEV企業の株価が急上昇する一方で、既存の自働車メーカーの株価は冴えません。 カーボンニュートラルに風向き変わる EVのシェアはまだ2.4% 負の外部性 カーボン…

世界経済はもう成長しないかもしれない 書評『勝ち組投資家になりたいなら統計を読め!」

ぼくはインデックス投資家です。インデックス投資家は、世界の株式に分散することで世界経済の成長とともに資産が増加していくことを目論んでいます。しかし、もし世界経済が期待通りに成長しないとしたら? 本書「勝ち組投資家になりたいなら統計を読め!」…

今後20年の世界経済観 AIとブロックチェーン(DAO)が作り変える

コロナ禍によって、リモートワークやDXの進展は「5年早まった」とよく聞きます。これが意味するのは、いずれ企業の業務プロセスは人手からデジタルに移行し、通勤や出張なども減ってオンラインでのやり取りが普通になっていく未来は定められていた――という世…

バブルの思い出

コロナショック後、来るぞ来るぞと言われていたコロナバブルがまさに本領発揮です。日経平均は2万6000円を軽く超え2万7000円にも達しそうな勢い。ダウも3万ドルを超えました。そして誰もが思っています。「実体経済はまだだま悪いのに、なんでここまで株価が…

ワクチンで大騒動 Withコロナ銘柄とAfterコロナ銘柄

11月9日夜に明らかになった、ファイザーのコロナウイルスワクチン開発経過報告によって株式相場は大混乱でした。米国株は崖のように上昇して、その後、下落。日本株も急上昇して2万5000円を超えて始まったものの、最後には再び割って終えました。 明暗を分け…

今はどれだけお金ジャブジャブなのか マネーストックと株価

バイデン大統領に決まり、懸念されたように株価が下落することもなく、各資産は上昇傾向にあります。その背景にはいろいろとあるでしょうが、やはり気になるのは通貨の価値下落です。 コロナ禍で各国が大規模な金融緩和を行った結果、各所にお金がバラまかれ…